大気汚染の悪化によりブタクサによる花粉症が凶悪化

(2015年8月) "Plant, Cell & Environment" 誌に掲載されたドイツの研究によると、ブタクサという植物の花粉に含有されるアレルギー原因物質(アレルゲン)の濃度が自動車などの排気ガス(二酸化窒素)により増加します。
ブタクサ
ブタクサ(学名: Ambrosia artemisiifolia)は夏から秋にかけて花粉症の原因となる植物です。 これまでの複数の研究により、道路から離れた場所に生えているブタクサに比べて幹線道路沿いに生えているブタクサの方がアレルギー性が強いことが示されています。
研究の内容

この研究で、二酸化窒素を様々な濃度でブタクサに浴びせかけるという実験を行ったところ、二酸化窒素がブタクサに引き起こすストレスによって花粉のタンパク質構造が変化しました。 「Amb a 1」と呼ばれるアレルゲンのアイソフォーム(機能が類似しているがアミノ酸配列の異なる蛋白質)が増加していたのです。

さらに、二酸化窒素で処理したブタクサの花粉は、ブタクサに対するアレルギーを持つ人に見られる特定の IgE 抗体(*)に結合する能力が増加していました。
(*) IgE(免疫グロブリンE)抗体は、抗体の中でもアレルギー反応の主因であると考えられている種類のものです。 IgE 抗体はアレルゲンと結合すると、マスト細胞(白血球の一種でヒスタミンなどを内蔵している)によるヒスタミンの放出を誘導します。 ヒスタミンが放出されるとアレルギー反応が生じます。 IgE の本来の役目は寄生虫の侵入を防ぐことです。
コメント
研究者は次のように述べています:
「ブタクサの花粉のアレルギー性は現時点ですでに凶悪ですが、大気汚染が今後悪化すればもっと凶悪になるでしょう」