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街灯などの人工照明で夜間に自宅周辺が明るいと抑鬱や自殺行為のリスクが増加する恐れ

(2017年11月) "Journal of Affective Disorders" に掲載されたソウル国立大学(韓国)の研究で、夜間に街灯などの人工照明のために自宅周辺の屋外が明るいと抑鬱や自殺行為(*)のリスクが増加するという結果になっています。

(*) 自殺念慮(「自殺しようかな」と考える事)または自殺未遂と定義された。

自殺の研究で知られる精神医学者の稲村博は「自殺行為」と「自殺未遂」を次のように区別している: 『自ら自己の生命を絶とうとする行為を自殺行為といい,結果として死に至ったものを自殺既遂(自殺),死に至らなかったものを自殺未遂と呼ぶ』

したがって稲村博の定義によると自殺は「自殺念慮 → 自殺行為 → 自殺既遂/未遂」という「簡単3(スリー)ステップ」を経ることになると思われるが、今回の研究ではこの「簡単3ステップ!」の最初と最後を真ん中の「自殺行為」にまとめたということに。

研究の方法

鬱症状のリスクに関しては11万人超のデータ(鬱症状に関するアンケート調査を行った結果)を、自殺行動に関しては15万人超のデータを分析しました。 夜間の屋外の明るさは人工衛星から入手したデータにより把握しました。

結果

夜間に自宅周辺の屋外が明るい(*)人は、抑鬱症状を抱えていたり自殺行動の経験があったりすることが多くなっていました。

(*) カーテンやブラインドを閉めていない限り夜間に寝室が不自然に明るくなると推察される。
夜間に自宅周辺の屋外がきちんと暗くなるグループに比べて、人工照明のせいで夜間にも屋外が明るいというグループでは、抑うつ症状のリスクが29%、自殺行動のリスクが27%高いという計算になりました。

関連研究

  • 2016年に発表されたスタンフォード大学の研究によると、夜間の街灯照明が強い地域に住んでいる人は睡眠時間が短かったり睡眠の質が低かったりします。
  • "Depression & anxiety" 誌(リンク先は英文)に発表された 2015年のメタ分析によると、睡眠時間の過不足は抑鬱のリスク要因です。
  • 2017年に発表された奈良県立医科大学の研究では、睡眠時間中の明るさが5ルクスであっても鬱症状が生じやすいという結果になっています。