航空機などによる交通騒音により鬱病のリスクが増加

(2016年12月) "Environmental Research" 誌に掲載されたドレスデン工科大学(ドイツ)などの研究によると、航空騒音を始めとする交通騒音により鬱病になるリスクが増加します。

研究の方法

2005年にフランクフルト国際空港が所在する地域に住む40才以上の住民のデータを用いて、2006~2010年のうちに鬱病と診断された7万7千人超の住民と鬱病にはならなかった58万人近くの住民とで騒音被害の程度を比較しました。

住民たちが被っていた航空機騒音・道路騒音・鉄道騒音のレベルは、2005年の時点における各住民の住所から算出しました。

結果
道路騒音

自動車やバイクなどに起因する騒音がひどいほど、鬱病になるリスクが増加していました。 1日を通して70デシベル以上の場合には、鬱病になるリスクが17%増加していました。

航空機騒音
ヘリコプターや飛行機といった航空機に起因する騒音については、騒音のレベルが50~55デシベル(*)の場合に鬱病になるリスクが最大(23%のリスク増加)となり、それ以上に騒音がひどい場合にはリスクが再び下がっていました。
(*) 市街地の真っ只中に位置する大阪国際空港(伊丹空港)の場合、空港から相当に離れた尼崎市北部でも飛行機の騒音が65dbを超えている(参考)が、空港周辺の地方自治体は航空機による騒音の問題を放置する方向に転じている。
鉄道騒音

鉄道に起因する騒音は、騒音のレベルが60~65デシベルの場合に鬱病になリスクが最大(15%のリスク増加)となり、それ以上に騒音がひどい場合にはリスクが再び下がっていました。

3つの騒音全部

道路・航空機・鉄道という3つの騒音のすべてが50デシベル以上という過酷な騒音環境に住んでいる場合には、鬱病になるリスクが42%増加していました。

解説
交通騒音があまりにひどい場合に鬱病のリスクが再び下がり始めていたのは、そういう場合には騒音に弱い人が騒音に耐えかねて引越したり私財を投じて防音対策を取ったりするからだと考えられます。