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科学的に行われた姓名判断による健康評価

(2013年12月) "*The BMJ*" のクリスマス特別増刊号に掲載されたアイルランドの研究において、名字が病気のリスクに影響する例が示されています。
John J Keaney, et al. The Brady Bunch? New evidence for nominative determinism in patients’ health: retrospective, population based cohort study. BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6627
研究の方法

この研究では、Brady という名字の人で徐脈(bradycardia。心拍が遅い病気)という疾患の率が高いかどうかを調べました。 病院の医療記録と電話帳を駆使して、2007~2012年のあいだにペースメーカーを埋め込んだ患者と Brady さんの数をダブリン市内に限定して調べたのです。

結果

この期間中に埋め込まれたペースメーカーの合計数は 1,012個で、電話帳に記載されたいた Brady さんの人数は 579人。 そして、ペースメーカーを埋め込んだ Brady さんの人数は8人でした。

これらの数字からペースメーカーを埋め込んだ人の率を計算したところ、Brady という名字の人では1.38%であったのに対して、他の名字の人では0.61%でした。

コメント
研究グループは次のように述べています:

「今回の研究は名字と健康との関係を示した研究としては始めてのものだ」

「過去の複数の動物実験から、徐脈のリスクが増加する原因はブラジキニン(血管を拡張させ滑らかな筋肉の収縮を引き起す)というペプチドホルモンの増加にあると考えられる。 Brady という名字の人が "Brady" という名字と共にブラジキニンが増えるという遺伝的な体質も先祖から引き継いでいる可能性は十分に考えられる」
さらに、研究グループは次のように結論付けています:

「今回の結果は公衆衛生医学的な見地からも重要である。 特定の疾患になるリスクの高い名字の人を対象とする検診プログラムも是非実現したい」

「しかしその前に、Fatt という名字の人に肥満が多いかどうか、あるいは Lowe という名字の人に鬱病が多いかどうかも確認しておかなくては。 大忙しだ」
Fatt は fat とかけているのでしょうけれど、Lowe は low でしょうか? low には「落ち込んだ」という意味があります。
豆知識
西洋における姓名判断(Nominative determinism)の歴史は東洋とは比較にならないほど浅く、1952年にカール・ユングが発表した論文に登場したものが始めてのようです。