北欧地方の食事で肥満による炎症が抑制される

(2015年1月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された北欧(東フィンランド大学など)の研究で、北欧地方の食事によって、体重を減らさなくても皮下脂肪組織に存在する炎症関連の遺伝子の発現量が減少するという結果になりました。

肥満者の脂肪組織に見られる低度の(慢性的な)炎症は、肥満者に生じる糖と脂肪の代謝異常や動脈硬化などの問題の原因ではないかと考えられています。

研究の方法
この研究では、メタボリック・シンドロームに近い状態(*)の中年男女56人を2つのグループに分けて、一方のグループにのみ北欧地方の食事を18~24週間(試験が3箇所に分散されて行われたために期間にバラつきがあるのでしょう)にわたって続けてもらいました。

(*) 高血圧、高血糖、コレステロールの異常、または肥満のうちの2つを抱えている。

北欧地方の食事をするグループには、全粒穀物、野菜、根菜、ベリー類(ストロベリーやブルーベリーなど)を初めとする果物、低脂肪の乳製品、なたね油、および週に3回の魚を食べてもらいました。

もう一方のグループ(比較対照用の「コントロール・グループ」)には、食物繊維をあまり含まない(「精白済みの」ということでしょう)穀物とバターをメインとする食事で、魚をあまり食べないようにしてもらいました。

両グループは体重を維持するように依頼されており、そのために試験期間中に目立った体重の変化はありませんでした。

結果

期間の最初と最後に被験者の脂肪組織サンプルを採取してトランスクリプトミクス分析と呼ばれる遺伝子発現解析を行った結果、北欧地方の食事をしたグループとコントロール・グループとの間で128種類もの遺伝子の機能に違いが生じていて、北欧地方の食事をしたグループでは複数の炎症関連遺伝子の発現量が低下していました。

研究チームによると注目すべきは、食事内容の違いによって、体重が減っていないのに炎症関連遺伝子の機能に違いが見られたという点です。