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果糖も平均的な摂取量であれば心臓病やメタボのリスクは増えない?

(2016年3月) "Nutrients" 誌に掲載された米国の研究によると、果糖も平均的な摂取量であれば心血管疾患(心臓病・脳卒中など)やメタボリック・シンドロームのリスクが増加したりはしません。出典: Fructose Containing Sugars at Normal Levels of Consumption Do Not Effect Adversely...

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この研究は Corn Refiners Association(CRA)の資金提供により行われました。 CRAはトウモロコシ関連製品(コーン・シロップやコーン油など)のメーカーが集まって作った全米規模の業界団体です。

さらに、研究チームのリーダーはCRA、コカコーラ社、ペプシコ・インターナショナル社、クラフト・フーズ社、ケロッグ社など、今回の研究結果に利害を左右される団体や企業から顧問料を受け取っています。

懸念される果糖の有害性
複数の研究により、次のような果糖の有害性が示唆されています:
  • 果糖を含有する異性化糖(*)などの糖類によって心血管疾患やメタボリック・シンドロームのリスク(特に中性脂肪)が増加する可能性がある。
  • 果糖の摂取量が多い(上位10%)と脂質異常症のリスクが高い。
  • ブドウ糖よりも果糖の方が腹部脂肪が増えやすい。
(*) ブドウ糖果糖液糖や高果糖液糖。 異性化糖はコカコーラなどの清涼飲料水など様々な加工食品に使われています。
研究の方法
BMIが23~35の男女267人(男性96人)を被験者とする比較試験で、被験者を次の4つのグループに分けて10週間を過ごしてもらいました:
  1. 各被験者の体重を維持するうえで必要となる1日の摂取カロリーの18%を異性化糖で摂るグループ。
  2. 同じく1日の摂取カロリーの18%をショ糖(普通の砂糖)で摂るグループ。
  3. 同じく1日の摂取カロリーの9%を果糖で摂るグループ。
  4. 同じく1日の摂取カロリーの9%をブドウ糖で摂るグループ。
18%や9%という数字(ブドウ糖を除く)は、世間全般の平均的な糖類摂取量から割り出した摂取量です。 糖類は低脂肪乳に混ぜて提供されました。
ショ糖と異性化糖
ショ糖と異性化糖はどちらも果糖とブドウ糖から構成されていて果糖/ブドウ糖の比率も同程度ですが、「ブドウ糖果糖液糖が砂糖以上に寿命や生殖に悪影響?」によるとショ糖では果糖とブドウ糖が化学的に結合した二糖として存在しているのに対して、異性化糖では果糖とブドウ糖が別々の分子として(各々が単糖として)存在しています。
結果

10週間の糖類摂取期間の前後での比較において、4つのグループの平均ではウェストのサイズ・総コレステロール・中性脂肪・血圧・CRP(炎症の指標)にあまり違いは見られませんでした。

糖類摂取前 糖類摂取後
ウェスト・サイズ 80.9cm 81.5cm
総コレステロール 4.6 mmol/L 4.7 mmol/L
中性脂肪 11.5 mmol/L 12.6 mmol/L
最高血圧 109.2 mmHg 106.1 mmHg
最低血圧 69.8 mmHg 68.1 mmHg
CRP 1.63 mg/L 1.76 mg/L

ウェスト・サイズが大きくなっているのは、10週間における総摂取カロリーが増えていた(平均で約240キロカロリー)ためでしょう。

果糖あるいは果糖を含有する糖類を摂取した場合にも、ブドウ糖を摂取した場合とメタボリック・シンドロームや心血管疾患のリスク要因の変化にほぼ違いはありませんでした。

異性化糖を摂った1のグループは他のグループに比べて中性脂肪の増加幅が大きくなっていました(*)が、この点に関して研究チームは次のように述べています:
「異性化糖で中性脂肪が大きく増加したといっても正常値の範囲内での話であるし、臨床的に意味のある数字とは言えない。 また、カロリー摂取量が増えていたことも考慮する必要がある」
(*) 98.20 ⇒ 129.03 mg/dL。 全グループの平均では101.56 ⇒ 111.70 mg/dL。
結論
研究チームは次のように結論付けています:
「一般的に摂取される程度の糖類摂取量であれば、メタボリック・シンドロームの各構成要素(*)や心血管疾患のリスク要因への影響は最低限度であり臨床的に有意でもなかった」
(*) 血圧・血中脂質・血糖値・ウェストのサイズ。 血糖値は今回の研究では調べられていません。