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解熱鎮痛剤が間接的にも心臓発作などのリスク要因となる可能性

(2014年4月) "*BMJ Open*" に掲載されたオランダの研究によると、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)というタイプの解熱鎮痛剤(イブプロフェンやアスピリンなど)を処方薬の強度で(ドラッグストアなどで市販されてる風邪薬に含まれる程度の量ではなく)服用している中高年の男女では心房細動(不整脈)のリスクが増加する可能性があります。
Bouwe P Krijthe, Jan Heeringa, Albert Hofman, Oscar H Franco, Bruno H Stricker. Non-steroidal anti-inflammatory drugs and the risk of atrial fibrillation: a population-based follow-up study. BMJ Open 2014;4:e004059 doi:10.1136/bmjopen-2013-004059
心房細動は脳卒中・心不全・早死にのリスク要因となります。 さらに、過去の研究から、NSAIDが心臓発作などの心血管トラブルのリスク要因となる可能性が疑われています。
過去の研究でNSAIDが心臓発作などの直接的なリスク要因であることが示唆されていたのに加えて、今回の研究で、NSAIDが心房細動を介して心臓発作などの関節的なリスク要因にもなる可能性も示唆されたということでしょう。
研究の方法

オランダのロッテルダムに住む55歳以上の男女 8,423人(平均年齢 68.5才。 58%が女性)の心臓の健康を1990年から定期的に検査しました。

心房細動の診断にはECG(heart tracer recording)を用い、参加者たちに処方された薬のデータは研究に協力する薬局に提供してもらいました。

結果

調査期間(平均で13年間足らず)中に心房細動が生じたのは参加者 8,423人のうち857人でした。 この857人のうち、心房細動と診断された時点でNSAIDの使用歴が無かったのは261人、NSAIDを過去に使用したことがあるのは554人、当該時点で使用中だったのが42人でした。

NSAIDの使用歴が無いグループに比べて、当該時点でNSAIDを使用中だったグループでは76%、NSAIDを最近(過去30日以内)に使用したことがあるグループでは84%、心房細動のリスクがそれぞれ増加していました。 これらは年齢・性別・心血管の問題などのリスク要因を考慮したうえでの数字です。

服用量が多いほど心房細動のリスクが増加するという傾向も僅かに見られましたが、統計学的に有意となるほどではありませんでした。
理由

NSAIDにより心房細動のリスクが増加する理由として研究チームは、(NSAIDの服用によって)シクロオキシゲナーゼという酵素の生産が阻害され、それによって血圧が上がるからではないかと考えています。

ただし、NSAIDを服用する人にはそもそも炎症があって、それが原因で心房細動のリスクが増加している可能性もあり、今後の研究が必要です。