NSAID で静脈血栓塞栓症のリスクが増加

(2014年9月) "Rheumatology" 誌オンライン版に掲載された Bassett Medical Centre(米国)によるシステマティック・レビューにおいて、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(*)を服用している人では静脈血栓塞栓症(VTE)(†)のリスクが有意に増加するという結果になりました。

(*) イブプロフェンやナプロキセン、アスピリンなど。 バファリンなどの市販の(購入に医師の処方箋を必要としない)解熱鎮痛薬にも使われています。

(†) 深部静脈血栓症や肺塞栓症など静脈内にできる血栓。
レビューの概要

NSAIDの使用者と非使用者とでVTEのリスクを比較した6つの観察研究のデータを分析したところ、NSAIDを使用していた場合には使用していない場合に比べて、VTEのリスクが1.8倍になっていました。 VTEの発生件数は、6つの研究の合計で 21,401件でした。

解説

NSAIDによってVTEのリスクが増える理由は不明ですが、(NSAIDに抗炎症作用をもたらす)COX-2阻害によってトロンボキサン(血小板の凝集や、血管壁の収縮を引き起こす物質)とプロスタサイクリン(血小板凝集抑制作用をもつプロスタグランジンの1種)の間のバランスが崩れるのが関係しているかもしれません。

今回のレビューはNSAIDをひとくくりにした分析でしたが、個々のNSAIDで見ればVTEのリスクが増加しないものもあるかもしれません。

研究グループは次のように述べています:
「元々のVTEリスクが高い患者にNSAIDを処方する際には注意が必要である」