Larsson SC, Drca N, Björck M, et al. "Nut consumption and incidence of seven cardiovascular diseases" Heart Published Online First: 16 April 2018. doi: 10.1136/heartjnl-2017-312819
研究の方法
スウェーデンに住む45~83才の男女6万1千人超(男性3万3千人弱、女性2万8千人超)を対象に、アンケートでナッツ類(ココナッツと栗〔チェスナッツ〕は除く。どんぐりについては不明)の摂取量などを調べたのち最長で17年間にわたり心血管疾患(心臓発作・心不全・脳卒中・心房細動など)の発生状況を追跡調査しました。
結果
年齢と性別だけを考慮した分析では、ナッツ類の摂取量が多いと心臓発作・心不全・腹部大動脈瘤・心房細動のリスクが低下していましたが、生活習慣や健康状態まで考慮して分析すると、ナッツ類の摂取量が多いと発病リスクが低いという関係が見られたのは心房細動と心不全だけとなりました。
脳卒中(虚血性も出血性も)や大動脈弁狭窄については、年齢と性別だけを考慮した分析でもナッツ類の摂取量と発症リスクとのあいだに関係が見られませんでした。
心不全
ナッツ類を食べる習慣が無いグループに比べて、ナッツ類を月に1~3回食べるグループは13%、そして週に1~2回食べるグループでは20%、それぞれ心不全になるリスクが低下していました。 週に3回以上食べるグループでは心不全になるリスクが低下していませんでした。
心房細動
ナッツ類を食べる習慣が無いグループに比べて、週に1~2回食べるグループでは12%、そしてナッツ類を週に3回以上食べるグループでは18%、それぞれ心房細動になるリスクが低下していました。
ナッツ類を月に1~3回しか食べないグループは、ナッツ類を食べる習慣が無いグループと心房細動になるリスクに差がありませんでした。