ナッツ類に糖尿病患者の冠状動脈疾患リスクを下げる効果?

(2014年6月) "Nutrition, Metabolism & Cardiovascular Diseases" 誌に掲載されたカナダの研究によると、ナッツ類に含まれる脂肪酸群に、2型糖尿病の合併症としての冠状動脈疾患(CHD)のリスクを低下させる効果があると考えられます。
2型糖尿病患者では、2型糖尿病ではない同年代、同人種、同性の人に比べて、心血管疾患(心臓や血管の病気)のリスクが2~4倍に増加します。
この研究で1日当たり75gのミックス・ナッツ(ピーナッツ、アーモンド、ブラジル・ナッツ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーカンナッツ、松の実、ピスタチオ、マカダミアナッツ、およびウォールナッツ)を食事に取り入れたグループでは、10年間における CHD のリスクが減少していたのです。

研究者は次のように述べています:
「ナッツ類が CHD と糖尿病それぞれのリスクの低減に有効である可能性は、これまでに複数の研究で示されていますが、ナッツ類によって糖尿病患者の脂肪酸プロファイルがどのように変化するか、そしてその変化が心血管の健康にどのように関与するかを調べた研究は今回のものが初めてです」
この研究は、2011年に同じ研究グループが行った研究の2次的分析です。 2011年の研究では、117人の糖尿病患者(平均年齢62才。 インスリンに依存していないが血糖降下薬は服用している)を次の3つのグループに分けました:

  1. ミックス・ナッツ75gを食事に追加するグループ
  2. ミックス・ナッツ38gとマフィン半人前を食事に追加するグループ
  3. マフィン1人前を食事に追加するグループ
いずれのグループでも1日の摂取カロリーは同程度(約 2,000kcal)でした。 追加分(ナッツとマフィン)によるカロリーも同程度(475kcal ほど)でしたが、マフィンに比べてナッツの方が健康的な不飽和脂肪酸が多く、炭水化物が少なくなります。
「今回の2次的分析の結果、2型糖尿病患者の食事にナッツ類を取り入れることによって、血中脂質に占める不飽和脂肪酸の割合を増やせることがわかりました。 このように脂肪酸プロファイルを改善することにより、CHD のリスクを減らせる可能性があります」
ナッツ類が心臓の健康にとって有益であることは多くの研究で示されています。 2003年には米国食品医薬局(FDA)が次のようにナッツ類の効果を認めています:
「ナッツ類の大部分については、飽和脂肪酸とコレステロールを制限した食事療法の一部として1日あたり1.5オンス(57g程度)を取り入れることで、心臓疾患のリスク低減を減らすのに有効であることが科学的エビデンスによって示唆されている」
この研究は International Tree Nut Council Nutrition Research & Education Foundation(ナッツ類の業界団体でしょう)の資金提供により行なわれました。