閲覧以外でのコンテンツの利用をお考えの方は引用・転載をするときのルールをご確認ください。
Copyright (c)2013-2017 最新健康ニュース All Rights Reserved.

ナッツに含まれる栄養と健康効果

ナッツ類に含まれる栄養

人類は旧石器時代からナッツ類(木の実)を食べていました。 ナッツ類に含まれる栄養はナッツの種類によっても異なりますが全般的に、タンパク質・不飽和脂肪(心臓の健康に良い)・食物繊維・カルシウム・カリウム・マグネシウム・セレニウム・葉酸・ビタミンEが含まれています。

これらの基本的な栄養素に加えて、ナッツ類にはフィトステロール類(*)・フラボノイド類・レスベラトロールなどの化合物も含まれています。 これらの化合物はビタミンEおよびセレニウムと連携して抗酸化物質として作用します。
(*) 血中コレステロール値を下げる作用があるほか、ガンを予防する効果も期待されています。
その一方で、ナッツ類にはナトリウム(*)コレステロールはあまり含まれていません(ただしナッツ製品には塩分が添加されていることが少なくありません)。
ナッツ類の健康効果
ナッツ類の健康効果に関する研究は多数行われています。 これらの研究の中には、ナッツ類の摂取に次のような健康効果があるという結果になったものがあります:
  • 総死亡率(死因を問わない死亡のリスク)の低下
  • 心臓疾患やガンの死亡率の低下
  • ダイエット効果、ウェストを細くする効果
  • コレステロール値の改善
  • 炎症や酸化ストレスの軽減(アーモンドなど)
  • 血管内皮機能の改善(ウォールナッツ、ヘーゼルナッツ)
  • インスリン抵抗性の改善(ウォールナッツなど)
  • 高血糖

ただし、これらの効果が無いという結果になった研究も複数存在します。 研究によって結果が異なるのはナッツ類の摂取量・被験者層・試験期間・研究方法などの違いによるものだと思われます。

世間的な評価
カロリーが多過ぎると避けられたこともありましたが、最近ではナッツ類を間食として推奨する医師が再び増加しています。 ナッツ類は健康的であるとされる地中海地方の食事(メディテラネアン・ダイエット)を構成する食品の1つでもあります。

10種類のナッツの栄養と有益性
以下は、健康に良い効果のある10種類のナッツです。 併記の粒数とカロリーは30g(一食分)を食べる場合のものです。
ピスタチオ (49粒 160 kcal)

ピスタチオ一食分で、1日に必要な食物繊維の12%を摂取できます。 そして、脂肪分の90%が健康に良い不飽和脂肪酸です。 ピスタチオは、ビタミンB6 とチアミンも豊富に含んでいるだけでなく、抗酸化物質の含有量がナッツ類の中で最大です。

ピスタチオにはフィトステロール(植物ステロール)という物質も豊富に含まれています。 フィトステロールは、腸による吸収において食品に含まれるコレステロールと競合することによって、血中コレステロール値を下げてくれます。 フィトステロールにはガンを予防する効果もいくらかあると考えられています。

ピスタチオには抗酸化物質(カロテノイドや、βカロチン、ルテインなど)も含まれています(ナッツ類中では最大)から、ピスタチオのガン予防効果はナッツ類の中ではピカイチだと思われます。

ピスタチオに含有されるカリウムの量はナッツ類の中でも最大です。 コルチゾールと呼ばれるストレスのホルモンには脂肪をお腹に集める作用と、脂肪分の高い食べ物を欲しくなる作用がありますが、カリウムはコルチゾールの生産量を抑制してくれます。

"American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたメタ分析では、ピスタチオはナッツ類の中でも特に血圧を下げる効果が強いという結果になっています。 糖尿病前症患者がピスタチオを習慣的に食べることによって血糖値やインスリン抵抗性が下がるという結果になった研究もあります。

さらにピスタチオは、ナッツ類の中でも最もカロリーの少ないナッツです。 いくつかの研究で、ピスタチオの殻を自分で剥きながら食べると、食べる量を抑えられることが明らかにされています。

赤色のピスタチオが売られていることがありますが、これは傷んでいるのを隠すために着色されたためです。 ピスタチオの自然な色は緑色です。

アーモンド(11粒 203 kcal)

アーモンドはナッツ類の中で最も多くタンパク質を含んでおり、そのタンパク質の中には空腹感を抑える作用を持つものもあります。 さらにアーモンドには、満腹感を生じさせる効果を持つ食物繊維も豊富に含まれています。 他にもアーモンドには、強力な抗酸化物質であるビタミンEを初めとして、リボフラビン、ナイアシン、カルシウム、不飽和脂肪酸など様々な有益な栄養素が含まれています。

"Free Radical Research" 誌(2014年)に掲載された英国の研究では、アーモンドに含まれる恐らくビタミンEが血流や血圧に働きかけて心臓病のリスクを減らしてくれそうだという結果になっています。 アーモンドには、免疫力を強化する作用やプレバイオティクス(有用な腸内細菌のエサとなる栄養素)としての作用もあります。

2014年4月に開催された "American Society of Nutrition" では、アーモンドの健康効果に関する次の3つの研究が発表されています:
  1. 19才以上の男女 24,808人を対象に行われたルイジアナ州立大学の研究で、アーモンドを日常的に食べている人は、そうでない人に比べて健康的な食事をしていて、健康状態も全体的に良好であるという結果が出ています。
  2. パデュー大学(米国インディアナ州)の研究によると、ローストして軽く塩をふったアーモンドを毎日1.5オンス(45g程度)食べるのが、食欲と血糖値の抑制や肥満防止に有効であると考えられます。 アーモンドを食べることによってビタミンE と一価不飽和脂肪酸を摂れることも確認されました。 一ヶ月間にわたって毎日アーモンドを250kCal 食べたにも関わらず、体重は増えていませんでした。 この研究では、2型糖尿病になりかけの男女137人を追跡調査しました。
  3. ペンシルバニア州立大学の研究によると、毎日一握り(42g)のアーモンドを食べることで、悪玉コレステロールと腹部の脂肪が減りやすくなると考えられます。 腹部の脂肪はメタボ病や心臓・血管の病気のリスク要因です。
カシュー・ナッツ(17粒 163 kcal)

カシューナッツには、同量の牛肉の2倍以上の鉄分が含まれています。 さらに、一食分のカシューナッツで、1日に必要とされる銅の量の38%を補給することができます。 銅が不足すると、貧血や、骨粗鬆症、関節炎、LDL(悪玉)コレステロールの増加、感染症などのリスクが増加します。

カシューナッツには、免疫力の強化や炎症のコントロールに欠かせない亜鉛も豊富に含まれています。 亜鉛は、傷の治癒・正常な味覚・嗅覚にも必要とされます。

カシューナッツは、脂肪の含有量の少なさにおいてナッツ類の中ではトップクラスです。 また、胆石予防にも効果がある可能性があります。

ブラジルナッツ(7粒 186 kcal)

抗酸化作用を有し、甲状腺と免疫系の健康を維持するのに必要な微量元素のひとつにセレンというミネラルがありますが、ブラジルナッツにはこのセレンが 100gあたり 1917μgという極大量で含まれており、1~2粒食べるだけで1日に必要なセレンを摂ることができます。

文部科学省による食品成分ランキングでセレン含有量第一位にランキングされている鰹節のセレン含有量が320μg/100g(鰹節は軽いので100gというと相当な量)、同じナッツ類の中で唯一このランキングに顔を出しているカシューナッツのセレン含有量が27μg/100gであることからも、ブラジルナッツのセレン含有量の凄まじさがわかるでしょう。 ブラジルナッツを食べるときはセレンの過剰摂取に注意が必要です。

ブラジルナッツは、マグネシウムもナッツ類の中で最高レベルの含有量を誇っています。 マグネシウムは、骨の成長と骨密度の維持に重要であるだけでなく、便通作用と制酸作用もあります。

ピーナッツ(28粒 191 kcal)

ピーナッツ(厳密には木の実ではありませんが)は、ナッツ類の中で最も多く葉酸を含んでいます。 葉酸はビタミンBの一種で、赤血球の形成などに関与しています。 ピーナッツには血糖値を安定させる作用があるため、2型糖尿病の予防に効果があると考えられます。 ピーナッツは食物繊維も豊富で、一食分(30g)のピーナッツには1日の所要量の5~10%の食物繊維が含まれています。

ピーナッツにはビタミンEとポリフェノール類も含まれているため、血糖値や炎症の抑制にも有効かもしれません。 ピーナッツ・バターを食べる習慣のある人は2型糖尿病を発症するリスクが20%ほど低いという結果になった研究があります。

ピーナッツの成分として著名なポリフェノールはイソフラボンとレスベラトロールです。 イソフラボンには更年期症状軽減などの効果が、そしてレスベラトロールには抗酸化作用や抗炎症作用を始めとする様々な健康効果が期待されています。

これまでのピーナッツ関連の研究には次のようなものがあります:
  • ピーナッツの摂取量が多い人は少ない人に比べて、死亡リスク(死因を問わない)が17~21%低い。
  • 高脂肪食が血管に及ぼす悪影響(流量依存性拡張(FMD)の低下)をピーナッツが防いでくれる。
  • ピーナッツバターを食べる習慣がある人は乳ガンになりにくい。
  • "Carcinogenesis" 誌に掲載されたリバプール大学の研究によると、ピーナッツ・アグルチニンと呼ばれるピーナッツの成分がガンの転移を助長する恐れがある。 ガン患者はピーナッツを食べないほうが良いかもしれない。
  • ピーナッツなどのナッツ類に心臓疾患を予防する効果が期待できる。 "American Journal of Clinical Nutrition" オンライン版(2014年7月)に掲載されたメタ分析で、糖分や脂肪分が多い間食をピーナッツ、カシューナッツ、またはブラジルナッツに置き換えることによって心臓疾患になるリスクが30%ほど下がるという結果だった。 さらに、ナッツ類全般を毎日食べることでも死亡率(死因を問わない)が17%下がっていた。

ウォールナッツ(クルミ)(14粒 146 kcal)

ウォールナッツは、心臓や脳の健康にとって有益であるとされるオメガ3脂肪酸の一種であるα‐リノレン酸を有意な量(30gあたり2.5g程度)で含んでいる唯一のナッツ類であるほか、マグネシウム・葉酸・ビタミンE・抗酸化物質(30gあたり3.7mmol)も豊富に含んでいます。 α‐リノレン酸には炎症を抑制する効果があります。

ウォールナッツは、2型糖尿病・糖尿病前症・メタボリックシンドロームの改善に有効であることが複数の研究で示されているほか、加齢による認知機能の衰えにウォールナッツが有効であることを示唆する研究も存在します。 大腸ガンや前立腺ガンを予防する効果も期待されています。

ウォールナッツは他のナッツ類よりも痛みやすいため、冷蔵庫または冷凍庫に保管しましょう。
(*) 半粒を1粒として数えた場合の数字。
大豆(1/4カップ 126 kcal)

大豆はピーナッツと同じく、厳密にはナッツ(木の実)ではなく一年草の種子です。 大豆にはタンパク質が一食分あたり11gと大量に含まれています。 脂肪分が他のナッツに比べて少なく、ビタミンKが豊富に含まれています。 ビタミンKは血液の凝固やカルシウムの吸収に深く関与しています。

大豆にはイソフラボンと呼ばれるフラボノイドも豊富に含まれています。 イソフラボンは更年期症状の軽減やガン予防などの効果が期待されていますが、腸内細菌の種類構成によってはイソフラボンが健康効果を発揮できないことがあります。 イソフラボンに備わるエストロゲン(女性ホルモン)的な作用が、腸内細菌によりイソフラボンから作り出されるエクオールという物質によるものだからです。

大豆は骨粗鬆症の予防に効果があるかもしれません。

松の実(157粒 160 kcal)

松の実には、眼に良いとされるルテインとベータカロチンのほか、マンガンも豊富に含まれています。 マンガンが不足すると、不妊症や、骨折、癲癇(てんかん)の発作のリスクが増加します。 松の実は軽く炒ってサラダなどに使うと良いでしょう。

ピーカン(ペカン)ナッツ(20粒 196 kcal)
ピーカンナッツは、心臓疾患の予防やコレステロールの低下に有効であるとする十分なエビデンスが存在するほか、一食分のピーカンナッツを毎日食べるのが、ルーゲーリック病(患者数は人口10万人あたり2~4人。 発症後2~4年で死亡する)などの神経性の病気の予防に有効であるとする研究があります。 ピーカンナッツは、脂肪の60%が一価不飽和脂肪酸で、19種類以上のビタミンとミネラルを含んでいます。 (20粒というのは半粒を1粒として数えた数字です)
マカダミアナッツ(11粒 203 kcal)

これまでカロリーが高いということで遠ざけられていたマカダミアナッツですが、最近ではマカダミアナッツに含まれる脂肪は良い脂肪であることがわかってきました。

また、マカダミアナッツはパルミトオレイン酸(オメガ7一価不飽和脂肪酸)を含んでいる数少ない食品の1つです。 パルミトオレイン酸は、コレステロールを下げる作用や、心臓疾患のリスクを低下させる作用があるだけでなく、肌の健康にとっても有益です。 美容ローションの中にマカダミア・オイルが使われているものがあるのも、そのためなのです。

1食分のマカダミアナッツで、1日に必要なチアミンを完全に補給することができます。 チアミンは、炭水化物をエネルギーに変換するのに必要な栄養素です。 体内に蓄えておくことのできるチアミンの量は比較的少ないため、チアミンを2週間摂らずにいると欠乏症になる恐れがあります。