肥満者がダイエットで体重を減らした状態を維持すると細胞が若返った

(2018年6月) "Psychosomatic Medicine" 誌に掲載されたカリフォルニア大学サンフランシスコ校などによる研究で、肥満者が体重を減らした状態を維持することでテロメアの長さが回復するという結果になりました。
Ashley E. Mason et al. "Weight loss, weight-loss maintenance, and cellular aging in the Supporting Health through Nutrition and Exercise (SHINE) Study"

テロメアとは


白く光る点がテロメア
(画像提供: NASA)

テロメアとは、染色体の両端にあって染色体同士が癒着したり変質したり(ガンの原因になる)しないように保護している部分のことです。 染色体が靴紐であるとすれば、テロメアは靴紐の先端のキャップに該当します。

テロメアは細胞が分裂するたびに(つまり老化により)短くなってゆき、テロメアが失われた染色体は不安定になります。 通常はテロメアが一定以下の長さになった時点で「細胞老化」により細胞が破壊されますが、このような破壊を免れた細胞はガン化します。

テロメアと健康

細胞が分裂するたびに短くなっていくというテロメアの性質のために、テロメアは肉体の老化度を知るための指標として用いられます。

また、ガン・心臓病・脳卒中・認知症・肥満・骨粗鬆症・感染症・糖尿病・高血圧・抑鬱などの病気を抱えている人はテロメアが短いというデータがあります。 テロメアが短いとこうした病気のリスクが増加するのかもしれませんし、こうした病気によってテロメアが短くなるのかもしれません。

研究の方法

194人の成人肥満者(BMIが30~45kg/m)を2つのグループに分けて5.5ヶ月間にわたり、一方のグループにはマインドフル瞑想法+減量(運動とカロリー制限による)を、そしてもう一方のグループには減量のみを行わせました。

結果

体重が減った時点ではテロメアの長さに変化が見られませんでしたが、体重が減った状態を維持できた場合には、マインドフル瞑想法を行ったかどうかにかかわらずテロメアの長さが回復していました。

減量期間中に10%の体重減を達成し、その6.5ヶ月後(試験開始から12ヶ月後)にも体重-10%減の状態を維持できていた人はテロメアが長くなっていたのです。

解説

体重が減った状態を維持することで免疫機能と代謝機能が改善されるためにテロメアの長さが回復するのかもしれません。