肥満女性に限りDHAに乳ガン予防の効果?

(2016年2月) ペンシルベニア州立大学の研究で、閉経後の女性が肥満している場合に限りDHAにより乳ガンのリスク要因が緩和されるという結果になりました。出典: Omega-3 Fatty Acids May Lower Breast Cancer Risk in Postmenopausal Obese Women

研究の方法
閉経後で乳房密度(*)が高い健康な女性266人を次の4つのグループに分けました:
  1. 何も服用しないグループ
  2. ラロキシフェン(†)を服用するグループ
  3. オメガ3脂肪酸のサプリメント(‡)を服用するグループ
  4. ラロキシフェンとオメガ3脂肪酸のサプリメントの両方を服用するグループ

(*) 乳房密度が高い女性は乳ガンになりやすい。

(†) ラロキシフェンは乳ガンや骨粗鬆症の予防に使われる薬です。

(‡) DHAを375mgとEPAを465mg。
研究の方法

2年後、BMIが29を超える女性に限って、オメガ3脂肪酸のサプリメントにより乳房密度が下がっていました。 ただし、乳房密度の低下との間に関係が見られたのはDHAだけでした(EPAについては血中濃度が高いと乳房密度が低いという関係が見られなかった)。

解説
肥満者に乳ガンが多いのは肥満に起因する慢性炎症のためであると考えられていますが、研究者によると、この慢性炎症に対してオメガ3脂肪酸の有する抗炎症作用が効果を発揮している可能性があります。 普通体重の女性は炎症が少ないためにオメガ3脂肪酸の効果が薄かったのかもしれません。
炎症により乳房密度が高くなると考えられています。(参考: The influence of inflammation on mammographic breast density...

過去の研究ではオメガ3脂肪酸が乳ガンの予防に有効であるという結果になったり有効ではないという結果になったりしていますが、これらの結果の違いには体重の違いが影響している可能性があります。

肥満は乳ガン以外のガンにも関与しているので、今回の結果は他のガンにも当てはまるかもしれません。