運動をしないから太るのではなく、太るから運動をしなくなる?

(2017年1月) 「運動をしないとカロリーが消費されないと太りやすい」と言われますが、"Cell Metabolism" 誌に掲載された研究によると、太っているから運動しなくなるという側面もあるかもしれません。

マウス実験で、食生活に起因する肥満が脳に影響を及ぼし、それによって「体を動かしたい」という欲求が抑制されることが示されたのです。
食生活が原因で太る ⇒ 運動をしたくなくなる ⇒ 運動をしない ⇒ さらに太る ⇒ さらに運動をしたくなくなる... という悪循環ですね。
研究の概要
肥満 ⇒ ドーパミン受容体の変化 ⇒ 運動量の減少
高脂肪のエサでマウスを太らせたところ、大脳の線条体(*)と呼ばれる部分に存在するドーパミン受容体(†)の活性が低下しました。 そして、ドーパミン受容体の活性化が低下するのに伴って、肥満マウスは普通のマウスよりも運動量が少なくなりました。

(*) 運動機能や報酬を求める行動に関与する。

(†) D2様受容体。 D1様受容体の活性は低下しなかった。 ドーパミンの量も減っていなかった。
確認の実験

太っていない普通のマウスのドーパミン受容体をノック・アウト(遺伝子的に除去)したところ、運動量が減りました。 ただし、運動不足によって肥満することはありませんでした。

逆に、高脂肪のエサにより肥満して運動しなくなったマウスのドーパミン受容体の働きを人為的に回復させたところ、太っているにも関わらず動き回ることが増えました。

結論
研究チームは「運動不足は肥満の原因であるというよりも、むしろ結果である」と結論付けています。