肥満の人は肝臓の老化が異様に早い

(2014年10月) "Proceedings of the National Academy of Sciences" 誌に掲載されたカリフォルニア大学ロサンゼルス校などの研究によると、肥満によって肝臓の老化が著しく促進されると考えられます。

研究の方法
ヒトの組織のサンプル 1,200 ほど(肝臓の組織サンプルは140)を調査しました。 老化の指標としては、エピジェネティック・クロックを用いました。 エピジェネティック・クロックは、メチル化と呼ばれるDNAの後成的(*)な化学変化に基づく加齢の尺度です。
(*) 「後成的(エピジェネティック)」とは、食事や環境などの後天的な要因が遺伝子に影響することによる、遺伝子の発現(遺伝子の設計図に基づいて体内でタンパク質が作られること)パターンの変化に基づく現象を指します。
結果
普通体重の人たちでは、エピジェネティック・クロックを用いて測定した肝臓の組織など数種類の組織の生物学的年齢と実年齢(生年月日に基づく年齢)とが一致したのですが、肥満者では肝臓の組織の生物学的年齢が実年齢よりも進んでいる傾向にありました。
  • 肥満者の BMI が10増えるごとに、肝臓の老化が3.3年進んでいました。
  • 肥満者でも、脂肪や、筋肉、血液の組織の生物学的年齢に異常は見られませんでした。
  • 肥満者が肥満外科手術により体重を落とした場合にも、加速された老化は元に戻っていませんでした。 長期的にどうかは不明ですが、少なくとも短期間のうちには戻っていませんでした。
研究者によると、肥満者における肝臓の異常な老化は、肥満者にインスリン抵抗性や肝臓ガンが生じやすい理由に関与している可能性があります。