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肥満 ⇒ ビタミンD 不足 ⇒ 自己免疫疾患

(2014年11月) "Autoimmunity Reviews" に掲載されたテル・アビブ大学の研究によると、クローン病や多発性硬化症などの自己免疫疾患の発症と長期化には肥満が関与しています。

肥満によって、①自己免疫寛容が損なわれて自己免疫疾患に最適な環境が整い、②炎症を誘発する環境が生じるために自己免疫疾患が悪化し治療効果が損なわれるというのです。

研究の方法
多発性硬化症のマウスの一群にメディテラネアン・ダイエット(不飽和脂肪酸を多く含む)を与えました。
結果
肥満がビタミンD 欠乏の原因でもあり、ビタミンDを補給することによって多発性硬化症に見られる麻痺と腎臓の(機能の)悪化を軽減できることが明らかになりました。 ビタミンDの補給によって、マウスの予後と生存率も改善されました。
システマティック・レビュー
研究グループは上記の研究に加えて、肥満とアディポカイン(脂肪組織から分泌される化合物で、免疫応答など様々な生理機能に関与している)と免疫が関与する疾患(リウマチ、多発性硬化症、1型糖尿病、乾癬、炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎など)との関係を調べた329の研究(臨床試験や実験)を対象とするシステマティック・レビューも行いました。
解説
研究者は次のように述べています:

「自己免疫疾患の原因となるものとして従来知られていたのは、感染症・喫煙・殺虫剤・ビタミン不足などですが、過去5年間で肥満も自己免疫疾患の一因であると考えられるようになってきました」

「世界保健機構(WHO)の統計によると、世界中の人たちの35%が肥満です。 また、肥満との関係が疑われている自己免疫疾患の数は10を超えます。 したがって、自己免疫疾患の病理への肥満の関与を調査することは非常に大切です」
「私たちが行った研究とシステマティック・レビューの結果によると、自己免疫疾患には明らかにアディポカインが関与しています。 複数の自己免疫疾患の発症と予後において特色となる(複数の)主要なアディポカインの代謝的および免疫的な活動を細かいところまで明らかにすることが出来ました」

「屋内で過ごす時間が長くて日光に当たることが少ない現代人はそもそもビタミンDが不足しやすいのですが、ビタミンDが脂肪組織に分泌されると、ビタミンDを必要とする体の他の部分には回されません(したがって肥満者では特にビタミンDが不足しがちとなる)」

「ビタミンDのサプリメントは安価なうえに副作用も無いので、免疫系に問題が生じるリスクがあるどのような人にも処方することが出来ます」