閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

妊娠中に鼻炎薬を服用すると奇形児が生まれるリスクが増加

(2013年7月) ボストン大学の研究によると、妊婦が鬱血除去薬(鼻づまりの薬など)を服用すると、奇形児の生まれるリスクが増加します。

この鬱血除去薬というのは、フェニレフリン(商品名: ネオシネジン)やプソイドエフェドリンなどで、これらの薬によって消化管や、耳、心臓に生じる稀有な先天性欠損のリスクが増加するというのです。

研究者によると、軽微でない(major)先天性欠損は新生児の2~3%に見られますが、フェニレフリンなどでリスクが増加する先天性欠損は、通常では新生児の0.1%未満に見られるタイプのものです。 このタイプの先天性欠損の中には、命に関わり手術が必要となるものもあります。

研究の方法

この研究では、1993~2010年の間に生まれた先天性欠損のある新生児 12,700人のデータを、そうでない新生児 7,600人のデータと比較しました。 これらの新生児たちの母親には、妊娠中および妊娠2ヶ月前までに服用した薬について尋ねました。

結果
  • 以前から知られていたリスク
    妊娠してから最初の3ヶ月間のうちにフェニレフリンを服用していた妊婦では、新生児に心内膜床欠損症が生じるリスクが8倍に、そしてフェニルプロパノールアミンでも、耳や胃の先天性欠損のリスクが8倍になっていました。 これらのリスク増加は、過去の複数の研究でも示されています。
  • 今回初めて明らかになったリスク
    また今回の研究では、プソイドエフェドリンやイミダゾリンにより先天性欠損のリスクが増加することも初めて明らかになりました。 妊娠してから最初の3ヶ月間のうちにプソイドエフェドリンを服用することによって、肢欠損のリスクが3倍になります。 また、イミダゾリン(目薬などの成分)の使用によって、気管と食道の接続に異常が生じるリスクが2倍ほどになります。
    プソイドエフェドリンやイミダゾリンが使われている市販薬
    プソイドエフェドリンは大正製薬のパブロン鼻炎錠Sや、タケダ薬品のベンザブロックを始めとして、一般的な鼻炎薬や風邪薬に配合されているようです。 イミダゾリンは検索しても使われている薬が見つかりませんでした。 楽天でイミダゾリンで検索すると、除草剤とペットの耳掃除用の薬剤がヒットしました。

過去の複数の研究では、鬱血除去薬によって内反足(湾曲足)や目・顔の先天性欠損のリスクも増加することが示されていましたが、今回の研究ではリスクの増加は見られませんでした。

研究者のコメント

研究者は、処方箋が不要な市販薬だからといって胎児にとっての安全性が保証されているとは限らないと警告しています。

ただし、特別なリスク要因が無い場合の先天性欠損の相対リスクがそもそも低く、例えば、心内膜異常の場合は1万人に3人(0.01%)であるため、それが数倍になっても依然としてリスクとしては小さいと考えられます。