OCTで多発性硬化症の進行を簡単にチェックできる

(2012年12月) ジョンホプキンス大学の研究によると、光干渉断層計(OCT。網膜を検査する機械)を用いた簡単な眼の検査で、多発性硬化症(MS)の進行ペースをチェック出来るかもしれません。

研究の内容

この研究では、164人のMS患者の網膜の厚み2年間にわたって定期的にOCTで検査しました。 その結果、MSが再発あるいは悪化した患者は他のMS患者に比べて、網膜が薄くなるペースが速くなっていました。

今回の研究ではさらに、脳スキャンによる診断とOCTによる診断が合致することも確認できました。 脳のスキャンにより炎症による病斑が認められたMS患者では、そうでないMS患者よりも網膜が速いペースで薄くなっていたのです。

解説

MSの進行度合いを把握するには現在、脳をスキャンして炎症と瘢痕をチェックしますが、これらの兆候とMSの進行度合いとの関係が一定でないなどの問題があります。

OCTを用いたチェックでは、網膜の中の神経線維の厚みを測定します。 網膜内の神経細胞は、脳の神経細胞と違って、ミエリン(中枢神経の外側を覆っている脂肪質の物質)で覆われていません。

このため、OCTにより網膜を検査することで、MSによる損傷の兆候をいち早く察知できるのではないかと考えられます。 ただし、もっと大規模で長期的な研究で今回の結果を確認する必要があります。