父親となる男性の状態も生まれる子供の健康に影響する

(2016年5月) "American Journal of Stem Cells" に掲載されたジョージタウン大学のレポートによると、生まれる子供の健康には母親となる女性だけでなく父親となる男性の状態(年齢や生活習慣)も影響します。

レポートの概要
このレポートによると、これまでに行われた様々な研究(ヒトの試験や動物実験)によって以下が明らかにされています:
  • 父親となる男性が年を取っていると、生まれる子供に統合失調症・自閉症・先天性奇形が生じるリスクが高くなる。
  • 父親の思春期前の食事が制限されていた場合(*)には、その男性の子供や孫が心臓病や脳卒中で死ぬリスクが低い。
    (*) 食事が制限されていた - "a limited diet"。 カロリーの話?
  • 父親となる男性が肥満であると、(生まれる子供において)糖尿病・肥満・脳腫瘍のリスクが高くなる。
  • 父親となる男性に心理社会的なストレス(*)があると、生まれる子供に問題行動(†)が生じるリスクが高くなる。

    (*) 仕事の悩み・人間関係の悩み・おカネの悩みなどでしょうか。

    (†) 問題行動 - "defective behavioral traits"。 意味がはっきりしない表現です。子供の頃の問題行動(言動が乱暴だとか落ち着きがないとか)のことなのかもしれませんし、大人になってから喫煙したり薬物に手を出したりすることなのかもしれません。
  • 父親となる男性に飲酒の習慣があると、生まれる子供の体重が少なかったり、脳のサイズが小さかったり、認知機能(記憶力や思考力)が損なわれていたりするリスクが増加します。
  • 母親が飲酒していなくても父親となる男性に飲酒の習慣があると、胎児に胎児性アルコール症候群が生じる恐れがあります。 胎児性アルコール症候群の子供の75%は、父親がアルコール依存症です。
コメント
研究者は次のように述べています:

「母親となる女性の側の栄養・ホルモン・心理的環境的な状態が、生まれる子供に臓器・細胞・遺伝子のレベルで恒久的な影響を及ぼすことが知られていますが、今回の調査によると父親となる男性の側の状態についても同じことが言えます」

「遺伝子の機能を司る分子を介して、父親となる男性の生活環境や(子供を作ったときの)年齢が子々孫々にまで影響する可能性が考えられるのです」

「両親の状態が子供に及ぼす影響を理解するには、母親となる女性と父親となる男性の影響を個別的に考えるのではなく、両者の影響の相互作用に目を向ける必要があります」