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詐欺被害に遭いやすいタイプの中高年者

(2017年4月) "Frontiers in Psychology" に掲載されたトロント大学などの研究によると、詐欺の被害に遭いやすいのは孤独な老人や他人を信じやすい人ではなく、認知機能(思考能力や記憶力)が衰えている人です。

研究の方法
認知機能障害と診断されておらず自立した生活を営んでいる60~90才以上のカナダ人男女151人(女性が120人)を対象に次の4種類のアンケート調査を実施しました:
  1. 認知能力を調べるアンケート
  2. 性格を把握するためのアンケート
  3. 他人を信頼する性質の程度を測るためのアンケート
  4. 詐欺被害(*)の状況を把握するためのアンケート
(*) 偽チャリティー・偽の儲け話・ギャンブル詐欺・オレオレ詐欺・効果が無いダイエット商品など15種類。

そして、詐欺被害に遭ったことがある人と遭ったことがない人とで認知能力や性格を比較しました。

結果

151人のうち、詐欺被害に遭ったことがあるのは51人でした。

信頼しやすさ

研究チームにとっても意外なことに、他人を信頼しやすい性格であるかどうかと詐欺被害の遭いやすさとの間には関係が見られませんでした。 性別・年収・教育水準についても同様でした。

認知能力

その一方で、詐欺被害に遭ったことがある人は遭ったことがない人に比べて、全般的な認知能力を示すスコアが低い傾向にありました。

人としての立派さ
また、詐欺被害に遭ったことが無い人は被害に遭ったことがある人に比べて、人間として立派(*)である傾向にありました。
(*) 誠実さ・公平さ・物質的な欲望の少なさ・謙虚さ・勤勉さ・慎重さ・責任感・物事への意欲といった性質を示すスコアがわずかに高かった。
協調性
協調性(*)の高さと詐欺被害リスクとの間には関係が見られませんでしたが、研究チームによると、協調性が高い人は詐欺被害に遭っていても(お人好しが過ぎるために)自分が被害者であるという自覚が無かったり、詐欺を詐欺と気づいていても底抜けの利他性を発揮して詐欺師に利益を供与したりしたあげく、詐欺被害に関するアンケート調査で「被害に遭ったことが無い」と回答した可能性も考えられます。
(*) 他人を信頼する・他人に親愛の情を持つ・善良である・正直である・利他的であるといった性質。
詐欺に注意が必要な人

今回の結果からすると、頭が悪いのに自分の判断能力に自信たっぷりで、物質的な欲望が強くて一攫千金を狙うタイプの人が詐欺被害に遭いやすいと言えます。

ドラマや漫画などで、詐欺被害者の役としてこういうタイプのキャラクターを登場させると非常にしっくり来るように思いますが、それは今回の研究結果(の性格に関する部分)が直感的に納得しやすいものだということなのでしょう。