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嗅覚が衰えている中高齢者は5年以内に認知症になるリスクが高い

(2017年9月) "Journal of the American Geriatrics Society" に掲載されたシカゴ大学などの研究で、嗅覚が衰えている中高齢者は5年以内に認知症になるリスクが高いという結果になりました。

研究の方法

57~85才の男女3千人弱を対象に嗅覚テスト(*)を実施したのち、5年間にわたり認知症の発生状況を追跡調査しました。
(*) ペパーミント、魚、オレンジ、バラ、皮革という5種類の匂いを嗅いで当てるテスト。

結果

5種類の匂いのうち3種類までしか正しく判定できなかったグループは、4種類以上を判定できたグループに比べて、5年間のうちに認知症になるリスクが2倍超でした。

認知症のリスクは嗅覚が劣っているほどが増加していました。 5種類の匂いを1つも正しく判定できなかったグループはほぼ全員が5年間のうちに認知症と診断されました。 1種類または2種類の匂いしか正しく判定できなかったグループでは80%近くが5年間のうちに認知症と診断されました。

関連研究

  • 2013年に"Journal of the Neurological Sciences" に掲載された研究では、ピーナッツバターの匂いを利用してアルツハイマー病を早期に診断できることが示されています。
  • 2017年に"Neurology"誌に掲載された研究では70~79才の高齢者2千4百人超を追跡調査して、嗅覚テストの成績が悪い人は成績が良い人に比べて、12年間のうちに認知症になるリスクが2~3倍であるという結果になっています。
  • 2017年に"Neurology"誌に掲載された研究によると、嗅覚テストでパーキンソン病のリスクも判定できます。
  • 今回と同じ研究チームが 2014年に発表した研究では、嗅覚が衰えている人は5年以内に死亡するリスクが19~39%高いという結果になっています。
  • 2017年に発表されたストックホルム大学などによる研究でも、嗅覚が衰えている人は死亡リスクが高いことが示されています。 この研究では、40~90才の男女 1,774人を対象に嗅覚テスト(16点満点)を実施したのち、10年間にわたり生存状況を追跡調査して、テストのスコアが1点下がるごとに死亡リスクが8%増えるという結果になりました。