オリンピック選手は虫歯の人が意外に多い

(2013年9月) スポーツや格闘技などで力を出すのに健康な歯が大事であることは有名ですが、"British Journal of Sports Medicine" に掲載された研究によると、オリンピック選手の口腔の衛生状態は意外にも、一般人と変わりありません。

研究の方法

2012年のロンドン・オリンピックの選手村に付設されていた歯科診療所において302人の選手の口腔衛生を検査させてもらいました。 これらの選手が専門とする競技は、陸上競技(95人)、ボクシング(38人)、ホッケー(31人)など25種目でした。

結果

302人のうち55%に虫歯が見つかりました。 しかも、それらの虫歯の41%はエナメル質を通り抜けて象牙質にまで達していました。つまり、初期の C1 の虫歯ではなく、C2 にまで進行した虫歯だったというわけです。

また、302人の75%以上が歯肉炎(歯周病の初期段階)でした。 そして、15%が歯周炎でした。歯周炎というのは、歯の周囲のやわらかい組織に感染症が生じた状態のことで、歯肉炎と違ってダメージを受けた部分が治ることはありません。

さらに、302人の選手を対象に実施したアンケートでは、「口腔の衛生状態に悩まされている」と回答した人が42%、「口腔の悩みのせいで生活の質(QOL)が落ちている」と回答した人が28%、そして「口腔の健康状態の悪さが競技成績に悪影響を与えている」と回答した人が18%という結果でした。

46.5%の選手が前年に歯科医による検診や治療を受けておらず、これまで一度も歯科医に行ったことが無いという選手も8.7%いました。

解説
これまでの複数の研究でも、運動選手の口腔の衛生状態の悪さは繰り返し指摘されてきました。 運動選手の口腔衛生の状態が悪い原因として考えられているのは、炭水化物の頻繁な摂取・過酷なトレーニングによる免疫力の低下・口腔の衛生状態と競技成績との関係に関する無知などです。