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オメガ3脂肪酸で染色体から若返る!?

(2013年5月) "Brain, Behavior, and Immunity" 誌に掲載されたオハイオ州立大学の研究により、不足しがちなオメガ3脂肪酸多く摂取して、オメガ6脂肪酸との比率を適正に保つことで、テロメア(染色体の末端の部分)の長さを回復できることがわかりました。

研究の方法

今回の研究では、100人超の中高齢者(ほぼ全員が太ってはいるけど健康)に、四ヶ月間にわたって活性型オメガ3脂肪酸のサプリメントを2.5グラムまたは1.25グラム服用してもらいました。

また、比較対照を目的として、別の人たちに普段米国人が摂取しているタイプの油を混ぜたものをプラシーボとして服用してもらいました。

実験に用いたオメガ3脂肪酸のサプリメントには、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)が7:1の比率で含まれていました。 以前の研究により、DHAよりもEPAのほうが抗炎症作用(後述)が強いことが示唆されていたからです。

中高齢者を対象にしたのは、若くて健康な(=炎症が少ない)人を対象にオメガ3脂肪酸の効果を調べた他の研究との差別化をはかるるためです。 その一方で、特定の疾患を持つ人を対象から外すことで、他の医薬品の影響を除外しました。

結果

四ヵ月後、オメガ3脂肪酸のサプリメントを服用したグループのほうが、プラシーボを服用したグループよりもテロメアが長くなっていました。

考えられる理由

同じ研究グループによる以前の研究で、オメガ3脂肪酸のサプリメントに炎症を低減する作用のあることが示されていますが、このオメガ3脂肪酸の抗炎症能力にテロメアの長さを保つ作用があるのではないかと考えられています。

炎症により細胞分裂が促進されますが、細胞が分裂するたびに染色体の末端部であるテロメアも短くなるため、細胞分裂が多い分だけテロメアが早く短くなります。

結論

今回の結果から、研究グループでは、オメガ3脂肪酸のサプリメントを服用してオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率を適切(1:4~1:2)に保つことで、冠状動脈性心臓病・2型糖尿病・関節炎・アルツハイマー病など加齢を原因とする様々な病気のリスクを低減できる可能性があると考えています。

この研究ではさらに、オメガ3のサプリメントを服用したグループで酸化ストレスが15%減少していることも明らかになりました。 酸化ストレスは心臓病や神経変性障害の原因となります。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸

オメガ6脂肪酸は、コーン油・大豆油・綿実油・ひまわり油などに多く含まれています。 一方、オメガ3脂肪酸は魚やサプリメントから摂取することができます。

研究者によると、現代人の食事では不飽和脂肪酸の(オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の)バランスが乱れています。 オメガ6脂肪酸を多く含む植物油が調理に用いられるようになった20世紀以降、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスが崩れだしたのです。 植物油が登場する前は1:2~3だったオメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸の比率が、植物油が用いられるようになってからは1:14~15にまでオメガ6脂肪酸が増加しています。

植物油からオメガ3脂肪酸を十分に摂ることはできない(さらに、植物油に含まれるオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸は長鎖脂肪酸ではない)ため、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想的な摂取比率を維持するには、魚を積極的に食べるかサプリメントを利用する必要があります。