オメガ3脂肪酸で血管の損傷が回復する

(2015年2月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたリーディング大学(英国)の研究によると、オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚を食べることによって、血管の修復速度が上がり心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが低下する可能性があります。

オメガ3脂肪酸によって血管の柔軟性が向上し、心臓疾患のリスクが低下する可能性はこれまでにも示されていましたが、その具体的なメカニズムは明確にはわかっていません。

今回の研究では、このメカニズムの解明にとって重要となる2つの心血管疾患マーカーとオメガ3脂肪酸との関係を調べました。

研究の方法

遺伝子的に心血管疾患のリスクが少し高い人たち(年齢は様々)84人を2つのグループに分けて、一方のグループには魚油(3g/日)を、もう一方にはプラシーボを8週間にわたって服用してもらいました。

1つ目のマーカー: EPC

今回調査対象となった1つ目のマーカーは、血管内皮前駆細胞(EPC)と呼ばれる幹細胞の一種です。 EPCは骨髄で作られ、血管内皮(血管の内側)が傷付いたときに修復してくれます。 過去の複数の研究で、EPCが多いと心臓疾患のリスクが低下するという結果になっています。

魚油を服用したグループではEPCの血中量が、プラシーボのグループに比べて15%増加していました。

2つ目のマーカー: EMP

2つ目のマーカーは内皮微粒子(EMP)と呼ばれる環状小胞(circular vesicles)です。 EMPは血管内皮が傷ついたときに流出するため、EMPの血中量から血管の損傷の度合いを知ることができます。 EMPの血中量が多い場合には心臓疾患のリスクが増加します。

魚油を服用したグループではEPCの血中量が、プラシーボのグループに比べて20%減少していました。

まとめ
研究者は次のように述べています:

「魚油によって血管内皮から放出される一酸化窒素(血管をリラックスさせて、血流量を増加させてくれる)の量が増加することが知られています。

今回の研究では、魚油の服用によって血管内皮を修復する働きを持つ細胞が増加し、それによって血管内皮の損傷が減少する可能性が示されました」