オメガ3脂肪酸で前立腺ガンのリスクが増加

(2013年7月) 心臓の健康に良いとされているオメガ3脂肪酸ですが、"Journal of the National Cancer Institute" に掲載された研究によると、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高い男性では前立腺ガンの発症リスクが増加します。

この研究グループが 2011年に行った研究でも、DHAの(血中)濃度が高いと、悪性の前立腺ガンのリスクが2倍以上になるという結果になっています。 今回の結果でも同様の結果となったことから研究グループは、オメガ3脂肪酸が前立腺の腫瘍化に関わっていると考えており、長鎖オメガ3脂肪酸の特にサプリメントでの摂取には慎重であるべきだとしています。

研究の内容

今回の研究では、オメガ3脂肪酸(EPA、DHA、および DPA)の血中濃度を、前立腺ガンと診断された男性834人の血液と、前立腺ガンではない男性 1,393人の血液とで比較しました。

前立腺ガンの発症リスクが最低水準にあったグループでは、オメガ3脂肪酸の血中濃度が3.2%であったのに対して、最高水準にあったグループでは5.7%でした。

リスクの増加を相対リスクで表すならば、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高いと前立腺ガンの発症リスクが43%(悪性の前立腺ガンに限ると71%)増加するということになります。

研究者のコメント
研究グループの1人は次のように述べています:
「今回の研究で私たちの 2011年の研究の結果が再現されたという点が重要です。 長鎖オメガ3脂肪酸が前立腺ガンの発生に関与していることが確認されたわけです。 ただし、前立腺ガンの予後(ある疾病の起こりうる転帰またはたどりそうな経過のことで、回復や再発の可能性のこと)にとって、オメガ3脂肪酸が有害であるかどうかは、また別の問題です」
"Prostate Cancer UK" という英国の前立腺ガン関連の NPO法人の研究者は次のように述べています:

「魚油に含まれるタイプのオメガ3脂肪酸に関しては、近年多くの研究がなされており、それらの研究の大部分では、バランスの取れた食事の一部としてオメガ3脂肪酸を摂るのは健康にとって有益だという結果になっています。

オメガ3脂肪酸を多く含む食事において、リスクと有益性のどちらが大きいのかを判断するには、もっと大規模な研究を複数回行う必要があるでしょう」