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DHAやEPAの摂取量が多い女性は腸内細菌が豊か

(2017年9月) "Scientific Reports" に掲載されたキングズ・カレッジ・ロンドンなどの研究によると、腸内細菌の多様性を向上させるのにオメガ3脂肪酸(魚の油に豊富に含まれるDHAやEPA)が有効だと思われます。

腸内細菌について

ヒトの腸内には無数の細菌が住み着いていて、ヒトが食べた物の消化を助けたり必須ビタミン類を生産したりするだけでなく、免疫機能・太り具合・食欲・薬の効き目・老化速度・コレステロール値・精神衛生・認知能力・血圧・骨の健康など全身の健康の様々な面に影響を及ぼすと考えられています。

多様性の大切さ

2型糖尿病・過敏性大腸症候群(IBS)・大腸ガン・肥満・拒食症・クローン病などの患者で腸内細菌の多様性が低下することや、腸内細菌が多様であるほど日和見感染症にかかりにくいことが知られています。

研究の方法

中高年女性876人を対象に以下を調査しました:
  • オメガ3脂肪酸の摂取量(アンケート調査による)
  • オメガ3脂肪酸などの血中濃度
  • 善玉の腸内細菌の多様さと数の多さ

結果

オメガ3脂肪酸の摂取量が多い女性は、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高く、腸内細菌が多様でした。

オメガ3脂肪酸の摂取量が多い女性で突出して多く見られたのはラクノスピラ科の腸内細菌でした。 ラクノスピラ科の腸内細菌は感染症の原因となるC.ディフィシル菌から人体を守ってくれるほか、肥満を抑制したり短鎖脂肪酸(SCFA)(*)を生産したりしてくれます。
(*) SCFAは、血圧・食欲・腸の健康などに影響して炎症性疾患・糖尿病・心臓病などのリスクを引き下げる効果が期待されています。

また、DHA血中濃度が高い女性に多く見られた腸内細菌(ラクノスピラ科を含む)の大部分は、腸の炎症が少ない場合に多く見られる腸内細菌でした。

オメガ3脂肪酸 → NCG

オメガ3脂肪酸の血中濃度が高い女性の糞便サンプルからはN-カルバミルグルタミン酸(NCG)が大量に検出されました。 これまでの動物実験でNCGには腸の酸化ストレスを低減する効果のあることが示されていることから研究チームは、オメガ3脂肪酸が腸にもたらす健康効果の少なくとも一部は、オメガ3脂肪酸が腸内細菌によるNCGの生産を促進するおかげではないかと考えています。