ω6脂肪酸にカロリー制限の効果?

米国の医療機関が行った研究で、ω6脂肪酸の有益性が示されています。 この研究で、回虫(C. elegans)にω6脂肪酸を与えたり、培養したヒト細胞とω6脂肪酸を混ぜたりしたところ、オートファジー(自食作用)と呼ばれるプロセスが活性化しました。

オートファジーとは、古くなったり、異常がある細胞組成物や分子を分解して、除去またはリサイクルすることを言います。 一部の加齢疾患では、オートファジーが行われなくなることがあります。 また、代謝的なストレスがかかる(栄養不足?)状況下では、オートファジーが活性化して不要な組成物を自己消化することで、細胞が生き延びます。

研究者は次のように述べています:
「オートファージが強く作用していると、古くなったり痛んだりしている細胞組成物が一掃されて、免疫系が効率的に機能します。

オートファジーが細胞機能を維持することによって寿命が延びることが示唆されています。 また、ヒトにおいて、オートファジー機能の衰えは、炎症性腸疾患(IBD)、パーキンソン病、ガン、メタボリック・シンドロームなどの病気に関与しています」
アラキドン酸およびω6脂肪酸を与えられた回虫では、飢餓状態でなくてもオートファジーが活性化します。 オートファジーの活性化により寿命が延びることは複数の遺伝モデルで示されていたので、研究グループは、ω6脂肪酸で回虫の寿命が延びるかどうかを調べました。 その結果、ω6脂肪酸を強化したエサ(カロリーは通常通り)を与えられた回虫では、寿命が20~25%延びていました。

その次に、培養したヒト細胞に対してω6脂肪酸の効果を調べたところ、回虫と同様にオートファジーの活性化が確認できました。 EPAでは、ヒト細胞のオートファジーは活性化しませんでした。
「ω6脂肪酸を強化した食事で、通常のカロリーを摂取していてもオートファジーが活性化したということは、ω6脂肪酸を積極的に摂取することで、食事量を制限することなくカロリー制限の効果を得られる可能性があるということです」
論文の脚注において研究グループは次のような趣旨のことを述べています:
「ω6脂肪酸が心血管疾患のリスクを増加させると一般に言われているが、疫学的な見地からすれば、ω6脂肪酸の摂取によって心血管疾患のリスクはむしろ減少している。

今回の研究をきっかけに、ω6脂肪酸を悪く言う研究者や医師たちには疫学的、基礎的、および臨床的なデータを見直して、ω6脂肪酸に対する認識を改めて欲しい」