オメガ3脂肪酸に関節炎の悪化を抑止する効果?

(2014年7月) "Annals of the Rheumatic Diseases" に掲載された Duke University Medical Center の研究によると、オメガ3脂肪酸に関節炎を抑止する効果があるかもしれません。

マウス実験において、オメガ3脂肪酸も与えられたマウスでは、飽和脂肪酸やオメガ6脂肪酸だけを与えられたマウスに比べて関節炎が悪化しにくかったのです。

研究者は次のように述べています:

「今回の結果から、肥満と関節炎の関係において機械的要因よりも栄養的要因の方が大きいことが示唆されます」


今回の研究では、外傷が原因で膝の関節炎になったマウスを用いた実験を行ないました。 ヒトの関節炎では、怪我が原因となる関節炎が10~15%を占めると推算されています。

マウスは次の3つのグループに分けました:

  1. 飽和脂肪酸を豊富に含むエサを食べるグループ
  2. オメガ6脂肪酸を豊富に含むエサを食べるグループ
  3. オメガ6脂肪酸を豊富に含み、オメガ3脂肪酸も少量含むエサを食べるグループ
飽和脂肪は主に動物性の食品に含まれており、コレステロール値が高くなる原因となります。 オメガ6脂肪酸はコーン油や、大豆油、ナッツ類などに含まれており、飽和脂肪よりは健康的だと考えられています。 現代人が最も不足しがちだと思われるのがオメガ3脂肪酸で、この脂肪酸は魚に豊富に含まれています。 オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があると考えられています。

「飽和脂肪とオメガ6脂肪酸、そしてオメガ3脂肪酸をバランスよく摂るのが健康的だと思われますが、西洋型の食事ではこのバランスが崩れてしまっています」 参考記事: オメガ3脂肪酸で染色体から若返る!?


実験の結果、3のグループに比べて、1と2のグループでは関節炎が有意に悪化していました。 そして、関節炎の主要なリスク要因であるはずの体重は関節炎の悪化率に影響していませんでした(1~3の各グループに普通体重のマウスと肥満マウスが含まれていた?)。

「オメガ3脂肪酸によって膝の怪我が治るということはありませんでしたが、関節炎の進行速度が鈍化しているようでした。 また、オメガ3脂肪酸を与えたグループの肥満マウスでは、肥満による有害な作用(具体的に何を指すかは不明)が取り除かれていました」


さらに、オメガ3脂肪酸を与えたグループでは、他の2つのグループに比べて、耳に空けた穴(個体の識別に用いる)の傷の治りが格段に速くなっていました。 (オメガ3脂肪酸を与えたグループの)傷の治る速さに関しても、体重の影響は見られませんでした。