医療・健康 3行半ニュース(2018年5月)

5月27日(日)

子供に好まれるパンのカ・タ・チ。 ウィーンで開催中のECO(European Congress on Obesity)で発表された研究で、6~10才の子供38人を対象に、視線を追跡する機器などを用いて子供が好むパンの形や色を調べたところ、子供が好むのは四角いパンよりも星形をしたパンであることが明らかになった。 パンの色として黄色は不評だった。82%の子供が普通にキツネ色に焼いたパンを選び、ターメリックで黄色に着色したパンを選んだ子供は18%に過ぎなかった。

この結果を利用して、子供に何を食べさせるかをコントロールできるかもしれない(野菜嫌いの子供に野菜を食べさせるのに、星形にしたパンに野菜を混入するなど)。(EurekAlert
中高年男性はガムを噛みながらウォーキングすると運動量が増える。 同じくECOで発表された研究で、21~69才の男女46人を被験者としてガムを噛むことがウォーキングに及ぼす影響を調べたところ、40才以上の男性に限り、ガムを噛みながらウォーキングすることで歩行速度が上がりウォーキングの距離が延びカロリー消費量も増えた。 (EurekAlert
5月26日(土)

ノンカロリー/低カロリーの甘味料で血糖値は上がらないというメタ分析。 29のランダム化比較試験(被験者数合計741人)のデータを分析したメタ分析で、ノンカロリーあるいは低カロリーの甘味料(アスパルテーム/サッカリン/ステビオシド(ステビア由来の甘味料)/スクラロース)で血糖値は上がらないという結果だった。 ノンカロリーあるいは低カロリーの甘味料の血糖値への影響は、年齢・体重・糖尿病の有無によりいささかの違いが見られた。(European Journal of Clinical Nutrition

これまでの研究には、人工甘味料が血糖値やインスリン値あるいは糖尿病のリスクに影響する可能性を示すものもある。 血糖値以外に関しても、人工甘味料でメタボのリスクが増加するとか、太りやすくなるとか、ダイエットが妨げられるとする研究も発表されている。

ナルシシズムの2つのタイプ。尊大型と脆弱型、あなたはどちら? 16~20才ごろの青少年男女136人(1/4ほどが女性)を対象に行われた調査で、尊大型ナルシシズムを抱える者は主として低協調性外向性を示し、脆弱型ナルシシズムに苦しむ者は主として神経質を示した。(Zeitschrift für Kinder- und Jugendpsychiatrie und Psychotherapie

尊大型ナルシシズム: 根拠なく自分が偉いと思い、それを隠そうとしないタイプのナルシシズム。自尊心が高く、傲慢で賞賛を求める。 脆弱型ナルシシズム: 根拠なく自分が偉いと思っているが、それを隠すタイプのナルシシズム。他人に負ける/批判される/拒絶されるのが怖いガラスのハート。自意識が強く非社交的。

カロリー制限のアンチ・エイジング効果を得るには長期間続ける必要がある? 短期的には逆に老化が促進される恐れ。 "Aging Cell" 誌に掲載されたハーバード大学(米国)とスコルコボ科学・技術研究所(ロシア)の研究(マウス実験)で、低カロリーの食生活は長期的には老化を鈍化させるが、短期的には(低カロリーの食生活に移行してしばらくは)老化が早まることが示された。

研究者は次のように述べている: 「低カロリー食の効果は累積的であり、続ける期間が長期になるほど老化が遅くなる。 低カロリー食を短期間のみ続けた場合には老化が早まるが、低カロリー食を長く続けるうちにそれは治まる(そしてさらに続ければ老化が遅くなる)」 (Skoltech
5月25日(金)

食生活と抑鬱のリスク。 フランスに住む18~86才の男女2万6千人を対象に、食生活を調べたのち平均6年間にわたり抑鬱の発生状況を追跡調査したところ、食生活が modified French Programme National Nutrition Santé-Guideline Score(mPNNS-GS)、Probability of Adequate Nutrient Intake Dietary Score(PANDiet)、または Diet Quality Index-International(DQI-I)という3種類の食生活ガイドラインに近い人は抑鬱が生じるリスクが低いという結果だった。 mPNNS-GS のスコアが標準偏差の数値のぶん上がるごとに、抑鬱リスクが8%低下するという計算になった。 PANDiet では5%、DQI-I では9%の低下だった。

食生活が Alternative Healthy Eating Index-2010(AHEI-2010)に近くても抑鬱リスクは下がっていなかった。 (British Journal of Nutrition

乳酸菌で子供の風邪がちょっぴり早く治る? 乳酸菌の風邪(呼吸器感染症)に対する効果を子供で調べた12のランダム化比較試験(RCT)のデータ(被験者数合計 4,527人)を分析したメタ分析で、ラクトバチルス・ラムノサスGG菌(LGG菌)の効果を調べた試験(3つのRCT。被験者数合計 1,295人)でのみ、乳酸菌の摂取により風邪をひいている期間が平均で0.78日間短くなるという結果だった。 風邪をひいている期間以外の面(おそらく風邪を予防する効果や風邪の症状を軽減する効果)ではLGG菌の効果は見られなかった。

LLGG菌以外の乳酸菌の効果に関しては、乳酸菌は風邪に対して効果がないという結果だったり、データが不足しているためにメタ分析ができなかったりだった。 (European Journal of Pediatrics
毒蛇の毒が母乳に入り込み乳児まで死亡。 インドに住む35才の女性が睡眠中に毒蛇に噛まれ、蛇に噛まれたことに気づかぬまま起床後に3才になる娘に授乳し、母乳に入り込んだ蛇毒のために娘が死んでしまった。 母親も蛇の毒により死亡した。 母親を噛んだと見られる蛇を家族が別室で見つけたが、蛇には逃げられた。 (AFP.com

太っている人が好む服の色。 ウィーンで開催中のECO(European Congress on Obesity)で発表された研究で、119ヶ国に住む男女3万4千人ほど(女性2万7千人)のデータ(男性はズボンのデータだけ)を用いてBMIと購入した衣服との関係を調べたところ...

BMIが高い(太っている)女性は青色/黒色/暗色の衣服・花柄のドレス・色数が多いシャツ・ドット柄のシャツを買うことが多く、BMIが高い男性は黒色または白色のズボンを買うことが多かった。 (EurekAlert
5月24日(木)
100才オーバーの長寿者は自分の死をどう受け止めているか? ドイツに住む100才超の長寿者78人とその代理人(たぶん子供とか)を対象に行われた調査で、死を恐れている長寿者は数名に過ぎず、78人の1/3ほどは死を待ち望んでいるという結果だった。 長寿者の代理人は長寿者本人が死ぬのを恐れていると勘違いしていることが多かった。("Journal of the American Geriatrics Society")
通勤手段と致命的な心臓病/脳卒中のリスク。 英国に住む男女18万7千人を対象に、アンケートで通勤方法などを尋ねたのち何年間かにわたり心臓病/脳卒中の発生状況や死亡状況を追跡調査したところ、徒歩・自転車・電車/バスを利用(マイカーと組み合わせる場合も含む)して通勤している人は、マイカーのみで通勤している人に比べて致命的な心臓病/脳卒中になるリスクが30%低かった。("Heart")

月経困難症は間食をする女性に多い。 月経困難症(下腹部痛・腰痛・腹部膨満感・吐き気・頭痛・食欲不振など)の女子大生46人と月経困難症ではない女子大生54人の食生活を比較したところ、月経困難症を抱える女性は間食(オヤツ)をすることが多かった。

間食の程度に応じてデータを3つのグループに分けたなかで、間食が最も少ないグループに比べたときの月経困難症(中等症~重症)のリスク(オッズ比)が、間食が最も多いグループでは4.2倍(95% CI = 1.32–13.58)、間食が2番目に多いグループでも3.4倍(95% CI = 1.10–10.50)だった。("BMC Women's Health")

社会経済的状態と自分の年齢の捉え方の関係。 米国に住む男女296人に、客観的な社会経済的状態(収入・学歴)/ 主観的な社会的地位(自分で自分の社会的地位をどの程度だと思っているか) / 自分の年齢の捉え方(自分の老化に対する態度・主観的な年齢・年を取ることで得たものと失ったもの)などを尋ねたところ...

居住地域における主観的な社会的地位が高い人は、年を取ったことに対して肯定的であるだけでなく主観的な年齢が低かった(「自分は若い」と感じていた)。 客観的な社会経済的状態と年齢の捉え方との間には関係が見られなかった。("European Journal of Ageing")
5月23日(水)
乳製品の摂取と精巣ガンのリスクの関係。 乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)の摂取と精巣(睾丸)ガンのリスクとの関係を調べたシステマティック・レビューで8つのケース・コントロール研究に目を通したところ、乳製品の摂取量と精巣ガンのリスクとの間に関係が見られなかった。 8つの研究の結果の方向性も一致していなかった。 ("Nutrition and Cancer")

乳ガン患者はテロメアが短い。 乳ガン患者142人と非患者239人のテロメアの長さを調べたところ、年齢を考慮しても乳ガン患者のほうがテロメアが短かった。

非患者では年齢が高いとテロメアが短いという関係が見られたが、乳ガン患者では年齢とテロメアの長さとの間に関係が見られなかった。

乳ガンの家族歴BMI・喫煙習慣などとテロメアの長さとの間に関係は見られなかった。 ("Plos One")

食生活と骨密度の関係。 米国に住む平均年齢46才の男女1万8千人のデータを分析したクロス・セクショナル研究で、糖質・糖類・脂質を大量に摂る人は骨密度が低いという結果だった。 逆に、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維を多く摂る人や不飽和脂肪酸(多価または一価)を多く摂る人は骨密度が高かった。

ただ、股関節・手首・脊椎の骨折のリスクと食生活のタイプとの間には関係が見られなかった。("Public Health Nutrition")
年金受給額と幸福の関係。 日本人男女12万人を対象に行われた調査(2013年~)で、年金の受給額に応じて4つのグループに分けてグループ間で幸福である人の割合を比較したところ、受給額が最高レベルのグループに比べて、受給額がゼロのグループは幸福である人の割合が-23%という結果だった。 この数字は、受給額が上から2番目のグループ(受給額が少ない)では-2%、上から3番目のグループ(そこそこの受給額)では-5%だった。("Plos One")
5月22日(火)
糖質の摂取量と前立腺ガンのリスク。 1980~2018年に発表された21の研究のデータ(データに含まれる人数は9万9千人弱、症例数は1万1千件超)を分析したメタ分析で、糖質の摂取量が多くても前立腺ガンのリスク(オッズ比)は高くないという結果だった。 ("Clinica Chimica Acta")
乳製品の摂取量とニキビのリスク。 乳製品の摂取量とニキビのリスクとの関係を調べた複数の研究(数は不明)のデータを分析したメタ分析で、乳製品(全体)の摂取量が多い場合には少ない場合に比べてニキビのリスク(オッズ比)が2.61倍という結果だった。 この数字は牛乳だと1.48倍、低脂肪乳だと1.25倍、スキム・ミルクだと1.82倍だった。 ("Clinical Nutyrition")
5月21日(月)

睡眠時間が長い子供は認知機能が良好。 5~13才の子供を対象に睡眠時間と認知機能(IQ・記憶力・注意力など)との関係を調べた19の研究(2016年12月までに発表されたもの)のデータを分析したメタ分析で、睡眠時間が長いと認知機能が良好だという結果となった。

ただし、19の研究で調査対象となった子供たちの睡眠時間が概ね推奨される睡眠時間よりも短かった(睡眠時間が比較的長かった子供でも睡眠時間が十分とは言えなかった)ため、睡眠時間が真に十分である子供を比較基準として睡眠不足が認知機能に及ぼす影響を調べれば今回と異なる(おそらくもっと顕著な)結果になるかもしれない。 ("Sleep Health")

年齢・性別と首の可動域。 放射線機器を用いずに首の可動域(首を動かせる範囲)を調べた11の研究のデータを分析したところ、大体において年齢が高くなると可動域が低下していたが、男性でも女性でも年齢が高いほど可動域が右肩下がりに低下するわけではなかった。

男性は可動域が低下し始める時期が早いかわりに可動域の低下がストップする時期も早かった。 女性は一般的に男性よりも首の可動域が広かったが、首を横に曲げられる範囲に関してはその限りではなかった。 若者では首の可動域に男女差は無かった。 ("Journal of Biomechanics")
5月20日(日)
食物繊維は免疫系をいい感じに調節してくれる。 腸内細菌が食物繊維から作り出す短鎖脂肪酸(SC FA)には慢性炎症を軽減する抗炎症効果があるが、炎症の軽減とは免疫機能が抑制されるということでもある。 そこで研究チームは「SC FAで免疫力が低下してしまうのではないか?」と不安に思い、マウスに発酵性食物繊維(イヌリン)を投与するという実験を行った。 すると、食物繊維を与えられたマウスでは、SC FAによって自然免疫応答(炎症は自然免疫応答の一部)が抑制されるのを補うかのように適応免疫応答が活発になり、インフルエンザに感染したときの死亡率が増加するどころか低下していた。 ("Immunity")
5月18日(金)

激しい運動の習慣がある高齢者は慢性疾患のリスクが低い。 欧州13ヶ国に住む高齢者3万7千人超を対象に行われた前向き調査で、激しい運動を週に1回以上行う習慣がある人は慢性疾患のリスクが低いという結果だった。

激しい運動を毎週1回行う男性は、心臓発作・慢性肺疾患・パーキンソン病・アルツハイマー病のリスクが低かった。 激しい運動を毎週1回超(≒2回以上)行う男性では、あらゆる慢性疾患のリスクが低下していた。

激しい運動を毎週1回行う女性は、高血圧・高脂血症・ガンを除く慢性疾患のリスクが低かった。 激しい運動を毎週1回超行う女性では、ガン以外の慢性疾患のリスクが低下していた。("European Journal of Public Health")
主観的に健康なスイス人高齢者の死亡リスク要因の1位は骨粗鬆症。 スイスに住む60~99才の主観的には健康な(自分が健康だと思っている)男女 1,467人(2型糖尿病であることが明らかだった人や血糖値のデータが欠けている人はデータから除外済み)を平均3.7年間にわたり追跡調査したところ、死亡のリスク要因として最も大きいのは骨粗鬆症だった。 死亡のリスク要因の2位は糖尿病で、3位は高血圧だった。 追跡期間中に66人が死亡した。("BMC Geriatrics")
5月17日(木)

アクリルアミドで腎臓ガンのリスクは増えない? Health Professionals Follow-up Study(男性)および Nurses' Health Study(女性)という米国の2つの前向き調査のデータを分析したところ、アクリルアミドの摂取量と腎細胞ガンになるリスクとの間に関係が見られなかった。("Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention")

アクリルアミドは発ガン性が疑われる化学物質で、ジャガイモや穀類といった糖質を、焼く・揚げるなど水分が少ない状態で加熱調理することで発生する。
5月16日(水)
コーヒーと卵巣ガンになるリスクとの関係。 コーヒー飲用と卵巣ガンになるリスクとの関係を調べた8つの前向きコホート研究(2017年3月までに発表されたもの。データに含まれる人数は合計79万人弱、症例数は3,541件)のデータを分析したところ、コーヒー飲用と卵巣ガンのリスクとの間に関係は見られなかった。 閉経前の女性と閉経後の女性に分けて分析しても同様の結果となった。("Oncotarget")

幸福感が強いと死亡リスクが低い。 デンマークに住む45~97才の男女7千人弱(全員が一卵性または二卵性の双子)を対象に行われた調査で、幸福感(主観的な幸福度)が高い人は死亡リスクが10%ほど低いという結果だった。

双子であることを考慮した分析でも幸福感が高いと死亡リスクが低かったことから、遺伝子や生活環境などとは無関係に幸福感それ自体が死亡リスクの低さに寄与すると考えられる。("Psychology and Aging")

ヨガで抗酸化物質が増える。 18~24才の男性60人を2つのグループに分けて一方のグループにのみヨガ12週間にわたりヨガを行わせた(1回60分間。週に6日)ところ、ヨガを行ったグループでは、ヨガを行う前に比べてもヨガを行わなかったグループと比べても、マロンジアルデヒド(酸化ストレスの指標)の血中濃度が減少し、SODアスコルビン酸(ビタミンC)・カタラーゼ還元型グルタチオンといった抗酸化物質の血中濃度が増加した。

ヨガを行ったグループでは体脂肪率も下がっていたが、体重や筋肉量には変化がなかった。("International Journal of Yoga")
5月15日(火)

仕事のストレスと抑鬱や不安感との関係。 英国に住む45才の男女 6,870人に仕事上のストレスについて尋ね、さらに50才になった時点での抑鬱や不安感など一般的な精神障害(CMD)の有無を調べたところ、45才のときに仕事上のストレスを抱えていたら50才のときにCMDが発生しているリスクが高いという結果だった。

45才のときに仕事で多くを要求されるのがストレスであった場合には1.7倍、職務上の裁量権が少ないのがストレスであった場合には1.9倍、仕事で緊張するのがストレスであった場合には2.2倍に、CMDのリスク(オッズ比)が増加していた。

仕事上のストレスとCMDとの間に因果関係がある(仕事のストレスが抑鬱や不安感などの原因である)と仮定した場合、CMDの原因に仕事上のストレスが占める割合は14%という計算になる。("Lancet Psychiatry")

紫外線以外の可視光線や赤外線でも皮膚がダメージを受けるみたいだよ。 皮膚の老化は、内部的な要因による老化と外部的な要因による老化の2種類に大別できる。 内部的な要因による老化は主に遺伝子に基づき、外部的な要因による老化は生活環境(日光に当たる時間や大気汚染の程度など)や生活習慣(食生活や喫煙習慣など)に基づく。

太陽光の成分でもある紫外線A波(UVA)やB波(UVB)が皮膚にダメージを与えたり皮膚ガンを引き起こしたりすることはよく知られているが、近年の研究によると400~700nmの波長を有する可視光線や800nm超の波長を有する赤外線も皮膚へのダメージを助長する恐れがある。 スモッグ・微粒子状物質(PM)・オゾンなどの大気汚染も皮膚の老化に関与している。 ("Journal of Cosmetic Dermatology")
5月14日(月)
男性が緑茶を飲む頻度と肺ガンになるリスク。 中国人男性10万人超(平均年齢51才)を対象に、緑茶の飲用習慣を尋ねたのち9年間前後にわたり肺ガンの発生状況を追跡調査したところ、緑茶を飲む頻度と肺ガンになるリスクとの間に関係が見られなかった。("中华预防医学杂志")
年齢は高山病のリスクに影響しない。 「子供は高山病になりやすい」とか「いいや高山病になりやすいのは高齢者だ」などと言われているが、高山病関連の17の研究(2017年3月までに発表されたもの)のデータ(データの人数は合計5千人弱。年齢は10~76才)を分析したところ、高山病のリスクと年齢との間に関係が見られなかった。("Military Medical Research")

抑鬱にはマグネシウムやセレンよりも亜鉛? ペンシルバニア大学の研究グループがこれまでの研究をまとめたレビューによると、抑鬱との関係が深いミネラルは亜鉛であり、亜鉛の欠乏により抑鬱のリスクが増加したり、亜鉛の補給により鬱症状が抑制されたりするというデータが存在する。

いっぽう抑鬱との間にさほど関係が見られないのはマグネシウムとセレニウム(セレン)で、マグネシウムやセレンの欠乏と抑鬱との関係を調べたこれまでの研究は結果の方向性が一致していない。("Nutrients")
5月13日(日)

初潮が早くても早死にのリスクは増えない? ノルウェーに住む25~94才の女性1万2千人超を対象に、初潮が訪れた時期を訪ねたのち生存状況を19年間近くにわたり追跡調査したところ、初潮が訪れる時期と総死亡リスクとのあいだに関係が見られなかった。

これまでの研究では、初潮が訪れる時期が早い女性は早死にしたりガン・心臓病・脳卒中などの病気になったりしやすいという結果になっている。("International Journal of Women's Health")

心臓病/脳卒中の薬をきちんと服用していない人の割合。 日本の3つの大学病院の外来患者 1,372人(平均年齢67才。女性31%)に心臓病/脳卒中の薬の服用状況について尋ねるなどしたところ、17%にあたる227人が薬をきちんと服用していなかった。

薬をきちんと服用しないのは、1日に2回以上薬を服用する必要がある患者で顕著だった。 抑鬱の有無と薬をきちんと服用するか否かとの間には関係が見られなかった。("American Journal of Cardiovascular Drugs")
5月12日(土)

自閉症の人は一生のうちに病気になることが多いものの... 1979年以降に中高年になってから他界した自閉症者91人と、この91人と性別や年代において釣り合う自閉症ではない故人6千人超とで、一生のうちに発生した健康上の問題を比較したところ、自閉症者は健康面の大部分(心血管・尿路・呼吸器・消化器・運動機能・長期的な薬物治療による副作用など)において自閉症でない人よりも問題が生じる(医療機関を利用する)ことが多かったが、転移性のガンになることは少なかった。("Autism Research")

この研究論文に基づくプレスリリース(リンク先は英文)によると、自閉症者は過度の飲酒高血圧のリスクも低かった。
5月11日(金)

膝関節炎であってもランニングを我慢する必要はない。 ただし無理は禁物。 膝関節炎を抱えている50才以上(平均63.2才)の男女 1,203人(男性45%、ランニング習慣があったのは11.5%)を対象に、ランニング習慣と膝関節炎の症状の変化との関係を4年間にわたり調べたところ、ランニング習慣があった場合に膝関節の状態(X線撮影で確認)が悪化していなかったばかりか膝関節の痛みが軽減されていた。 データの分析においては年齢・BMI・当初の膝関節炎の程度などを考慮した。

研究チームは「自分の膝の状態に応じて適度なペースで適度な距離を走るのであれば、膝関節炎だからといってランニングを避ける必要は無い」と述べている。("Clinical Rheumatology")
5月9日(水)
便秘対策で食物繊維を摂るならマンゴーで。 健康だが慢性的な便秘に悩む被験者たち(人数不明)を2つのグループに分けてマンゴー300gまたは(300gのマンゴーが含有するのと)同量の食物繊維を4週間にわたり摂らせたところ、マンゴーを食べたグループのほうが便秘が改善されていた。マンゴーを食べたグループはエンドトキシンとIL-6の血中濃度も低下していた。("Molecular Nutrition & Food Research")
5月7日(月)
同じ動物性食品であっても家畜の育て方により健康への影響が異なる。 牛肉・乳製品(チーズ/バター)・卵といった畜産物を食べたときの健康への影響が畜産物を生み出す家畜の育て方(エサなど)の違いによりどう異なるかを調べた29の研究のデータを調べたところ、同じタイプの動物性食品であってもその元となる家畜の育て方が違うと、共役リノール酸(牛肉や牛乳などに含まれる脂質)・オメガ3不飽和脂肪酸(DHAやEPAなど)・炎症に関与する物質(CRPやIL-6など)の血中濃度への影響が異なっていた。 血中脂質にはあまり違いが見られなかった。("Critical Reviews in Food Science and Nutrition")
5月6日(日)

野菜を食べたくない子供に食べさせるには食べさせると良い。 就学前の子供に野菜を食べさせるべく編み出された9つの技法の有効性を調べた30の研究論文のデータに目を通した結果、子供に野菜を食べさせるにはステルス大作戦(料理の中に野菜をこっそり忍び込ませたり、ピューレにして混ぜたり)などよりも、とにかく子供に野菜を食べさせてみるのが有効であることがわかった。

子供に野菜を食べさせてみる際には、ディップやハーブを使用したり食用油を加えたりといった小細工を弄(ろう)するよりも野菜をそのまま出すのが効果的だと思われる。 食べさせたいが食べたくない野菜1種類につき少なくとも8~10回は子供に食べさせてみると良いだろう。("Appetite")
5月5日(土)
シナモンで関節リウマチの症状が軽減される。 関節リウマチの女性患者36人を被験者とするランダム化比較試験で、半数の女性にのみ500mg×4カプセル/日のシナモンを8週間にわたり服用させたところ、シナモンを服用したグループは服用しなかったグループに比べて、炎症の程度を示す血中物質(CRPとTNF-α)の濃度が低く、関節リウマチの症状が軽減されていた。 シナモンを服用したグループでは拡張期(最低)血圧も下がっていた。 血糖値には差が見られなかった。("Journal of the American College of Nutrition")
5月4日(金)

体を動かさない高齢者は体内の老化物質が多い。 ドイツに住む65才以上の高齢者 5,624人を対象に行われた調査で、運動などの身体活動の量が少ない人はAGE(最終糖化産物)の量が多く身体機能が低いという結果だった。

AGEは老化に伴う細胞や組織の機能低下を助長する物質で、身体機能の低下にも関与している可能性がある。 AGEは体内で作り出されるほか、加熱調理によりAGEが発生した食品を摂取することでも体内に取り込まれる。("The Journals of Gerontology: Series A")
5月1日(日)
炭入り歯磨き粉で歯が灰色になる? クレイトン大学歯学部の学生たちが行った研究によると、炭が入った歯磨き粉を使い続けていると歯が変色してしまう恐れがある。 炭入り歯磨き粉はコーヒーの常飲などで生じるステインの除去に一定の効果があるかもしれないが、長期間にわたり使用を続けるうちに炭によりエナメル質が削り取られ、歯の象牙質に炭が入り込んで歯が灰色味を帯びる恐れがあるのだという。("クレイトン大学")