医療・健康 3行半ニュース(2018年11月)

11月17日(土)

心臓病/脳卒中の予防にはバランスよく運動をするのがベストかも。 アメリカ大陸に住む成人4千人超を調べた研究(研究のタイプは不明)で、運動習慣がある人は心臓病/脳卒中のリスクが30~70%(運動の種類や年齢層により異なる)低かった。

動的な運動(ウォーキングや自転車など)よりも静的な運動(筋力トレーニング)のほうが心臓病/脳卒中のリスク低下には有益であるように見受けられたが、単に一方の運動の量を増やすよりも両方の運動を行うのが効果的であるようだった。

この研究はセント・ジョージズ大学(グレナダ)によるもので、ペルーで開催中の "ACC Latin America Conference 2018" で発表された。 (American College of Cardiology

てんかん患者と身体活動(レビュー) ここ10年間のうちに複数の論文で、癲癇(てんかん)患者の気分・認知能力・身体機能・社交・生活の質・発作の予防などに(運動が)有益であることが示されている。 また実験研究では、身体活動が(脳における)異常な電気活動の発生の抑制に寄与する可能性が示されている。 しかし、癲癇における運動の役割に関して、現在のところ専門家の意見は統一されていない。

運動中には癲癇放電が減少あるいは消滅する(癲癇の発作が生じにくくなる)可能性がある。 既存のエビデンスによれば、癲癇患者は生活の質を改善することを目的として身体活動を行うことが推奨されるべきかもしれない。 ただし、一部の患者では運動が発作を引き起こす恐れもある。 癲癇患者に身体活動を推奨するべきか否かを確定的に判断するにはエビデンスが不足している。 (Canadian Journal of Neurological Sciences

このレビューは、アンティオキア大学(コロンビア)などの研究グループによるもの。 このレビューでは、「運動(exercise)」という言葉と「身体活動(physical activity)」という言葉の両方が使われている。
11月16日(金)

コーヒーと膵臓ガンのリスク。 喫煙歴がない女性31万人弱(平均年齢60才)を14年間前後にわたり追跡した調査で、コーヒー飲用量と膵臓(すいぞう)ガンになるリスクとの間に関係が見られなかった。 追跡期間中に962件の膵臓ガンが発生した。

この31万人のデータを他の3つの前向き研究のデータ(比較的人数が少ない。喫煙歴がない人のみ。男性を含むかどうかは不明)と組み合わせてメタ分析を行っても同様に、コーヒー飲用量と膵臓ガンのリスクとの間に関係が見られなかった(「2杯/日以上」 vs. 「飲まない」の比較でリスクに差がなかった)。

これまでの後ろ向き研究で、コーヒー飲用により膵臓ガンのリスクが増加するという結果になっているが、このような結果が喫煙習慣の影響やコーヒー飲用習慣に関する記憶の誤りによるものである可能性がある。 そこで今回の研究では、喫煙歴が無い人に限った前向き研究のデータを分析した。 (International Journal of Cancer

ポリフェノール類と血管の健康。 平均年齢24才の健康な男性22人を被験者とするクロスオーバー試験で、普段の食生活とポリフェノール類を避ける食生活を2週間ずつ(間に1週間の空白期間を設けた)続けさせたところ...

ポリフェノール類を避ける食生活を続けた場合に、TXA2とPGI2のバランスが乱れた(PGI2の量に対するTXA2の量が2倍近くも増加した)。

TXA2とPGI2はどちらも、体内でアラキドン酸から合成される作り出されるエイコサノイドの一種。 PGI2は一酸化窒素と同様に血管の拡張に関与する。 TXA2はROS(活性酸素種)と共に血管の収縮に関与する。 両者のバランスが取れていることが血管の健康にとって大切である。

ポリフェノール類を避ける食生活の内容は「果物または野菜の摂取量を2食分/日未満とし、ポリフェノール類が豊富なコーヒー・茶・チョコレート・ココアを避ける」というもの。(Nutrients

アクリルアミドで腎臓ガンのリスクは増加しない? 米国人男女10万人の食生活を調べたのち腎細胞がん(最も一般的なタイプの腎臓ガン)の発生状況を平均10年間超にわたり追跡した研究で、アクリルアミドの摂取量が最大のグループと最少のグループとの間で腎細胞がんになるリスクに差が見られなかった。 追跡期間中に発生した腎細胞がん(浸潤性)の症例数は412件だった。

アクリルアミドは発ガン性が疑われている化学物質で、ジャガイモ(馬鈴薯)や穀類といった糖質を、焼く・揚げるなど水分が少ない状態で加熱調理すると発生する。 大部分の疫学的研究ではアクリルアミドの摂取量とガンになるリスクとの間に関係が見られないという結果になっているものの、過去に行われた少数の前向き研究ではアクリルアミドの摂取量が多いと腎細胞がんのリスクが増加するという結果になっている。(Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention
11月15日(木)
オリーブ・オイルの健康効果。 ヘロコピポ大学(ギリシャ)などの研究グループが、オリーブ・オイルの心臓病・脳卒中・ガン・糖尿病の予防への効果を調べた10のメタ分析に目を通したところ、オリーブ・オイルは心臓病・脳卒中・乳ガン・2型糖尿病などの慢性疾患の予防に有益であるようだった。 (Maturitas
ハチミツもメディテラネアンな食品。 マルケ・ポリテクニック大学(イタリア) などの研究グループによると、最近になってハチミツメディテラネアン・ダイエットを構成する食品の1つとみなされ始めている模様。 (Critical Reviews in Food Science and Nutrition
食生活の炎症度と抑鬱・不安・苦悩の関係。 イランに住む男女 3,363人を対象に食生活に関するアンケート調査と精神状態に関するアンケート調査を実施した横断研究で、食事炎症指数(DII)が最高の(炎症を促進するタイプの食生活を送っている)グループは最低のグループに比べて、抑鬱のリスクが84%、不安症のリスクが69%、および精神的苦悩のリスクが72%高かった。 (Clinical Nutrition

線維筋痛症の患者がメラトニンを服用した結果。 線維筋痛症の患者(人数不詳)にメラトニン様々な用量で10日間にわたり服用させたところ...

メラトニンを9mg、12mg、または15mg服用した場合に、Fibromyalgia Impact Questionnaire(線維筋痛症の生活への影響の程度)、Numerical Pain Scale(痛みの程度)、およびコルチゾール尿中濃度を総合したスコアが低下(改善)していた。

研究グループは「線維筋痛症の患者にメラトニンを服用させると、コルチゾールの尿中濃度が下がり、気分・不安感・生活の質が改善された」と述べている。 (Biological Research For Nursing
11月14日(水)

朝食を抜くと2型糖尿病のリスクが増加する恐れ。 2017年8月までに発表された6つのコホート研究のデータ(データに含まれる人数は成人9万6千人超、糖尿病の発生件数は5千件弱)を用いたメタ分析で、朝食を摂らないことがある人は朝食を欠かさず摂る人に比べて2型糖尿病になるリスクが33%高かった。 BMIを考慮した分析(4つの研究)では、この数字は22%だった。

1週間のうち朝食を摂らない日が多いと2型糖尿病になるリスクが増えていたが、朝食を摂らない日が4~5日/週に達した時点でリスクの増加幅が頂点に達していた(朝食を食べる日が週に1日か2日だけの人は、朝食を決して食べない人と糖尿病のリスクに差がなかった)。 (The Journal of Nutrition

加糖飲料と抑鬱のリスク。 2018年6月までに発表された10の観察研究(うちコホート研究は4つ)のデータ(データに含まれる人数は成人36万人超、抑鬱の症例数は3万7千件超)を用いたメタ分析で、加糖飲料の摂取量が最大のグループは最少のグループに比べて抑鬱のリスクが高かった(横断研究では+38%、コホート研究では+30%)。

加糖飲料と抑鬱リスクの関係は直線的ではなく、コーラの飲用量が2杯/日を超えるとリスクが明確に増加し始めていた。 加糖飲料を飲む習慣が無い場合に比べて、コーラを2/日飲む場合には抑鬱リスクが5%増加し、コーラを3/日飲む場合には抑鬱リスクが25%ほど増加するという計算になった。 (Journal of Affective Disorders

近頃人気のビタミンDとオメガ3脂肪酸どちらも心臓病・脳卒中・ガンの予防に効果がなかった。 ハーバード大学の研究グループが2万6千人弱(男性は50才以上、女性は55才以上)を被験者として行った大規模なランダム化比較試験で、2万6千人弱を4つのグループ(ビタミンDを服用、DHA・EPAを服用、ビタミンD&DHA・EPAを服用、どちらも服用しない)に分けたうえで5年間前後にわたり心臓病・脳卒中・ガンの発生状況を追跡調査したところ...

ビタミンDのサプリメントを服用しても心臓病・脳卒中・ガンのリスクは下がっていなかった。 ガンの種類別に分析しても同様だった。 死亡リスク(死因を問わない)も下がっていなかった。 ただし、深刻な有害副作用も報告されなかった。

DHA・EPA(長鎖オメガ3脂肪酸)のサプリメントでも大体において同様の結果だったが、心筋梗塞のリスクは28%下がっていた。

服用量はビタミンDが 2,000 IU/日で、DHA・EPAが1g/日(1gあたりDHA380mgとEPA460mgを含有)だった。

ビタミンDの結果DHA・EPAの結果は別途に、いずれも "The New England Journal of Medicine" に発表された。
11月13日(火)

ジャガイモはゴハンやパスタよりも腹持ちが良い。 オタゴ大学(ニュージーランド)などの研究グループが14人の被験者に糖質45gを含有するゴハン、パスタ、またはジャガイモ(茹でた)をミートソース200gおよび野菜200gと組み合わせて食べさせたところ、食事してから3時間後にかけての満腹感においてジャガイモが最も満足感が高く腹持ちも良かった。 腹持ちが最も悪いのはパスタだった。

糖質45gを摂ろうとする場合、ゴハンであれば142g、そしてパスタであれば138gを食べることになるが、ジャガイモの場合には337gも食べることになる。 摂取量にこのような差が出るのは主に、ジャガイモが含有する水分が多いことによる(糖質45gをゴハンで摂ると水分を73gほど摂ることになるが、糖質45gをジャガイモで摂ると水分を217g摂ることになる)。

研究グループによると、ジャガイモはゴハンやパスタよりも食べる量が多くなるために、お腹がふくれて満腹感が強まるのだと考えられる。 (Nutrients

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11月11日(日)

生活習慣と子宮内膜ガン/卵巣ガンになるリスク。 米国に住む閉経後の女性11万人弱を対象に、生活習慣(食生活・飲酒・身体活動・BMI・喫煙)を調べたのち子宮内膜ガンと卵巣ガンの発生状況を18年間前後にわたり追跡したところ...

生活習慣が最も健康的なグループは最も不健康なグループに比べて、子宮内膜ガンになるリスクが39%低かった。 子宮内膜ガンのタイプ別に分析しても同様だった。

ただし卵巣ガンに関しては、生活習慣が健康的な場合に漿液性の卵巣ガンになるリスクが僅かに増加していた。 (American Journal of Epidemiology

ミルク・ティーとストレート・ティーとで異なる血管/血圧への影響。 カーティン大学(オーストラリア)などの研究グループによるランダム化比較クロスオーバー試験において、平均年齢22才の健康な男女(男性7人)に①白湯、②紅茶、③紅茶と牛乳(ミルク・ティー)を4週間ずつ飲ませたところ...

白湯を4週間飲んだ後に比べて: 紅茶を4週間飲んだ後には流量依存性拡張(FMD1%増加していた(良いこと)が、ミルク・ティーを4週間飲んだ後には0.64%低下していた(良くないこと)。

血圧(4週間の最後の7日間に自宅で測定した)に関しても、紅茶を飲んだときには白湯を飲んだときと差がなかったが、ミルク・ティーを飲んだときには収縮期(最高)血圧が1.1mmHgおよび拡張期(最低)血圧が2.0mmHg増加した。

心拍数は、紅茶を飲んだときにもミルク・ティーを飲んだときにも、白湯を飲んだときよりも1.8bpm低下していた。 (Food & Function
11月10日(土)

食事量を減らしたいなら食前に水を飲むと良い? 肥満ではない20~30才の韓国人男女15人(女性8人)を被験者とする試験で、食前に300mlの水を飲むと食事量が減り、食後の2時間における満腹感にも差がないという結果になった(水を飲まない場合に162g食べたのに対して、水を飲んだ場合には123gしか食べなかった)。 「食前に水を飲んでおくのがダイエットに有効かもしれない」と研究者は述べている。 (Clinical Nutrition Research

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ビタミンC不足とアルツハイマー病患者の癲癇(てんかん)発作。 ヴァンダービルト大学の研究("Neurology" 誌に掲載)で、遺伝子改造によりヒトと同じようにビタミンCを摂取しなくてはならない(体内でビタミンCを作れない)体になったマウスを用いた実験を行ったところ...

ビタミンCが不足した(アルツハイマー病の)マウスは(癲癇性の)発作が生じやすかった。 また、アルツハイマー病のマウスに軽度の発作が一度生じただけでも記憶力に悪影響があった。

ビタミンCは脳(特にシナプス)の酸化ストレスを抑制するうえで重要な抗酸化物質である。 アルツハイマー病の患者は健常者の5~10倍も非誘発性の発作が生じやすいというデータや、アルツハイマー病の患者はビタミンCが不足していることが多いというデータがある。

今回の結果からも、アルツハイマー病患者における発作および認知機能低下の抑制に、脳内に存在するビタミンCの量が重要であると考えられる。 (Vanderbilt University

ネガティブな感情を表に出す女性は老化が早い? 米国ミシシッピー州に住む黒人男女 2,516人の精神状態(シニシズム・表に出す怒り・内にこもる怒り・抑鬱症状・ストレスなどの程度)やテロメアの長さなどを調べたところ...

女性に限り、怒りやネガティブな気分をよく表に出す(腹を立てたときに人や物に当たったり、ネガティブな気分を声音や表情で表に出したりする)人は、そうした感情をあまり表に出さない人に比べてテロメアが短かった。

生活習慣・糖尿病/高血圧の有無・高感度CRP(炎症のマーカー)を考慮せず年齢・性別・教育水準ぐらいしか考慮しない分析だと、女性に限り、シニシズムが強い場合にもテロメアが短かった。

これまでの研究で、黒人女性は男性や他の人種に比べて精神的なストレスを強く感じることが報告されている。 (Stress & Health

11月9日(金)
タンパク質の摂取量が多くても卵巣ガンのリスクは増えていなかった。 2018年6月までに発表された10の研究(コホート研究2つとケースコントロール研究8つ)のデータを用いたメタ分析で、タンパク質の摂取量と卵巣ガンになるリスクとの間に関係が見られなかった。 動物性タンパク質と植物性タンパク質を区別して分析しても同様の結果だった。 ただし、今後の高品質な研究で今回の結果を確認する必要がある。 (Bioscience Reports

食生活と死亡リスクの関係。 2017年末までに発表された30の研究のデータ(データに含まれる死亡者数は22万人超)を用いたメタ分析で、食生活がメディテラネアン・ダイエットに近い人遠い人に比べて死亡リスク(死因を問わない)が21%低かった。

食品カテゴリー別に摂取量と死亡リスクとの関係を見ると、適度な飲酒の習慣がある場合には飲酒習慣が無い場合や飲酒量が多い場合に比べて14%、果物の摂取量が中央値を超える場合には12%、および野菜の摂取量が中央値を超える場合には6%のリスク低下であった他方、の摂取量が中央値を超える場合には7%のリスク増加だった。 (British Journal of Nutrition

ブルーライトで血圧が下がった。 ドイツで行われたクロスオーバー試験(グループを入れ替える試験)において、健康な男性14人の全身にブルーライト(450nm近辺の波長の光)またはフィルター(たぶん450nmの光をカットする)越しのブルーライトを日光と同程度の強さで30分間にわたり照射したところ...

ブルーライトを照射したときにはフィルター越しのブルーライトを照射したときに比べて、収縮期(最高)血圧が8mmHgほど低かった。 8mmHgという数字は、血圧降下薬を服用したときの降下幅に匹敵する。

(フィルター越しでない)ブルーライトを照射したときには、血流(前腕で測定)と流量依存性拡張(FMD)が改善されたほか、一酸化窒素の血中濃度が増加していた。 ブルーライトにより放出される一酸化窒素のおかげで血圧が下がるのだと考えられる。

この研究は、"European Journal of Preventive Cardiology"(2018年9月)に発表された。 この記事は主に "AlphaGalileo" のプレスリリースに基づく。

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11月8日(木)

アブラナ科野菜の摂取量と大腸ガンになるリスク。 国立がん研究センターなどの研究グループが45~74才の日本人の132万人年(人数×追跡年数)ぶんのデータを分析したところ、アブラナ科野菜(ブロッコリーなど。抗ガンなどの効果が注目されている)の摂取量と大腸ガンになるリスクの間に男性でも女性でも関係が見られなかった

女性では追跡開始から最初の3年間のうちに発生した大腸ガンを除外して分析すると、摂取量が多いと結腸ガンの発症リスクが低いという関係が見えたが、統計学的な有意性が微妙(P for trend=0.08)だった。

また、男性の近位結腸ガンに限ると、アブラナ科野菜の摂取量が多い場合に発症リスクが低下するどころか増加していた(増加の程度は不明)。

追跡期間中における大腸ガンの発生件数は 2,612件だった。 (European Journal of Cancer Prevention

田主丸町(福岡県)の住人の身体活動状況と死亡リスク。 福岡県の田主丸町に住む男女 1,680人(年齢層は不明)を平均で16年間ほどにわたり追跡した調査で、身体活動量が多かった人は少なかった人に比べて死亡リスクが15%低かった。また、勤務時間中に座って過ごす時間が長かった人は死亡リスクが16%高かった。

こうした関係が見られたのは男性だけだった(「こうした関係」というのが、座って過ごす時間と死亡リスクとの関係だけを指すのか、それとも身体活動量と死亡リスクとの関係も指すのかは不明。 15%や16%というのが男女別に分けた後の数字なのか、それとも男女に分ける前の数字なのかも不明)。

追跡期間中に397人が死亡した。 (European Journal of Preventive Cardiology
11月7日(水)

ビタミンCのサプリメントで糖尿病患者の血糖値が改善された。 ディーキン大学(オーストラリア)などの研究グループが、2型糖尿病を抱える男女31人(平均年齢62才、平均糖尿病歴5.6年、平均HbA1c値7.67%、男性26人)を被験者とするクロスオーバー試験にて、ビタミンCのサプリメント(500mg×2回/日)またはプラシーボをそれぞれ4ヶ月間にわたり服用させたところ...

ビタミンCのサプリメントを服用した場合にはプラシーボを服用した場合に比べて、食後血糖値(-1.1mmol/L)・食後血糖値のiAUC(-36%)・1日のうち高血糖である時間の長さ(-2.8時間)・食後における高血糖状態の持続時間(-1.7時間)・24時間の平均血糖値(-0.8mmol/L)・最高血圧(-7mmHg)・最低血圧(-5mmHg)などが改善された。 (Diabetes, Obesity and Metabolism

身体活動の種類と大腸ガンのリスク。 前向きコホート研究においてオーストラリアに住む男女 23,586人(平均年齢66才)の大腸ガン発症状況を 2003~2007年から 2016年1月末まで平均5.6年間ほどにわたり追跡調査したところ...

各種の身体活動のうち大腸ガンになるリスクとの間に関係が見られたのは運動(余暇に行う身体活動)だけ(29%のリスク低下)だった。

職務の一環として行う身体活動・通勤通学などに関わる身体活動・家事に関わる身体活動と大腸ガンのリスクとの間には関係が見られなかった。 (BMC Cancer

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アントシアニン摂取量と心臓病や脳卒中のリスク。 欧米圏に住む男女を調査した19の研究の60万人分のデータを用いたシステマティック・レビュー("Critical Reviews in Food Science and Nutrition" 誌に掲載)で、アントシアニンの摂取量が多い人は冠動脈心疾患になるリスクが9%および心血管疾患(心臓病や脳卒中)で死亡するリスクが8%低いという結果だった。 アントシアニン摂取量と心血管疾患(トータル)・心筋梗塞・脳卒中になるリスクとの間には関係が見られなかった。

冠動脈心疾患になるリスクや心血管疾患で死亡するリスクと摂取量との関係が顕著だったのは、アントシアニン類のなかでもアントシアニジン(ブルーベリーなどのベリー類のほか、ブドウ(色の濃いもの)や赤キャベツなどに豊富)だった。 (EurekAlert
11月6日(火)

エナジードリンクで血管の機能が急性的に損なわれた。 米国心臓協会が主催する "Scientific Sessions 2018" で発表されたテキサス大学の小規模な研究で、20代の大学生44人(健康な非喫煙者)にエナジードリンク700mlを飲ませ、その前後(飲んでから90分後)に血管内皮機能(FMD)を検査したところ...

エナジードリンクを飲む前には5.1%だったFMDが、エナジードリンクを飲んだ後には2.8%にまで低下していた。

研究グループは、エナジードリンクの複数の成分(カフェイン、タウリン、糖類、ハーブ類)の作用が組み合わさってFMDが低下したのだと考えている。 (American Heart Association

体重を毎日のように測定した人は1年間のうちに体重が減っていた。 米国心臓協会が主催する "Scientific Sessions 2018" で発表されたピッツバーグ大学などによる研究で、平均年齢47才の男女 1,042人(90%が白人。78%が男性)に、体重を測定するとデータを電波送信する体重計を使用させて、自宅で体重を測定する習慣と12ヶ月間における体重の変化のパターンとの関係を調べたところ...

体重計を使用することが一度もなかったグループと週に1回しか体重を測定しなかったグループでは体重が減っていなかったのに対して、体重をほぼ毎日(6~7日/週)測定したグループでは体重が1.7%減っていた。

体重をこまめに測定することで、自分の行動(食事量や運動量でしょう)が体重にどういった変化を及ぼすかを把握しやすくなるのかもしれない。 (American Heart Association
11月5日(月)

中年期からの認知症予防には食生活を全面的に見直すと良い? 341人の男女の食生活を中年の頃から平均17年間弱のうちに3回調べた研究で、中年のときから食生活の4つの面(脂質・野菜・糖類・塩分の摂取)の全てにおいて改善されていたグループは認知症になるリスクが59%低いという結果だった。

ところが、この4つの面の各々と認知症になるリスクとのあいだには関係が見られなかった。 したがって、食生活の1つの面だけを改善するのではなくトータルに改善するのが認知症の予防に効果的なのかもしれない。

4つの面の「改善」とは次のようなもの:
  • 脂質 ― ①調理の際にバターやマーガリンではなく野菜油を使用する、②乳製品は低脂肪のものを摂る、③肉を食べるときに脂身は残す。
  • 野菜 ― 冷凍のものでもよいので毎日食べる。 ただしジャガイモは野菜とみなさない。
  • 糖類 ― 摂取量を減らす。
  • 塩分 ― 食卓に出された(すでに味が付いている)料理に塩をふりかけない。
Nutrients
11月4日(日)

ジャンク・フードとアミロイドβの蓄積状況。 オーストラリアに住む平均年齢70才の女性115人を対象とする横断研究で、食生活を調べたりPET検査で脳におけるアミロイドβ(アルツハイマー病患者の脳に蓄積が見られるタンパク質)の蓄積状況を把握したりしたところ...

ジャンク・フード(ハンバーガーやピザなどのファーストフード、菓子類、糖類)を特徴とする食生活を送る女性の脳にはアミロイドβがよく蓄積していた。

メディテラネアン・ダイエットや低脂肪の食生活とアミロイドβの蓄積具合との間には関係が見られなかった。 (Alzheimer's & Dementia: Translational Research & Clinical Interventions

日本人におけるDHA/EPAの摂取量と抑鬱になるリスク。 前向きコホート研究において、抑鬱が生じていない40~79才の日本人男女 2,335人(愛知県の大府市または東浦町に在住のみなさん)を対象に、平均8.1年間にわたり抑鬱症状と長鎖オメガ3脂肪酸(DHAとEPA)の摂取量を調べた(各人が2年に1回の調査に少なくとも1回は参加した)ところ...

EPAに関しては、摂取量に応じて3つのグループに分けたなかで摂取量が最大のグループは最少のグループに比べて、抑鬱が生じる(CES-Dスコアが16以上となる)リスクが26%低かった。

同様の比較でDHAに関しても、摂取量が最大のグループは21%および摂取量が中程度のグループでは20%、それぞれ抑鬱が生じるリスクが低かった。

追跡期間中に抑鬱が生じた人の割合は22.1%だった。 (Nutrients
11月3日(土)

キャノーラ油でコレステロール値が改善される。 2017年12月までに発表された27のランダム化比較試験(被験者数の合計は 1,359人)のデータを用いたメタ分析で、キャノーラ油(菜種油)を摂取した場合には摂取しない場合に比べて、総コレステロール値が7.24mg/dlおよびLDLコレステロール値が6.4mg/dl低いという結果になった。 HDLコレステロール値や中性脂肪値などには差が見られなかった。

年齢層別に分析すると、キャノーラ油でコレステロール値が下がっていたのは50才以上の人に限られた。 また、キャノーラ油のコレステロール値への効果が見られたのは、摂取期間が30日を超える場合だけだった。 (Journal of the American College of Nutrition

死亡リスクは緑空間で低下し、水辺で増加する? スペインに住む男女80万人弱(平均年齢51才)の生存状況を平均で3.7年間にわたり追跡した調査で、樹木などの緑が多い地域に住んでいる人は死亡リスクが低かったが、海や河川などの水辺が多い地域に住んでいる人は死亡リスクが高かった(海や河川が地域に占める割合が1%増えるごとに死亡リスクが3%増加)。

今回のデータでは事故死と非事故死の区別がなされていないので、水辺の事故が死亡リスクにどれだけ影響していたかは不明。 船や港に起因する大気汚染や化学物質が死亡リスクに影響している可能性のほか、社会経済的状態(収入・職業・学歴など)などの交絡要因を考慮しきれていないために水辺で死亡リスクが増加するように見えているだけである可能性もある。 (International Journal of Environmental Research and Public Health

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11月2日(金)

高齢男性がプロテインを飲んでも筋トレの効果に差が出なかった。 オランダに住む平均年齢70才の高齢者男性41人を2つのグループに分け、一方のグループにはプロテインのサプリメントを就寝前に服用しつつ全身の筋力トレーニングを、そしてもう一方のグループには同カロリーだがタンパク質を含有しないサプリメントを就寝前に服用しつつ同様のトレーニングを12週間にわたり行わせたところ、どちらのグループでも筋肉と筋力が改善されていたものの改善の程度にグループ間で差が見られなかった

プロテインのサプリメントの内容は、プロテイン21g・ロイシン3g・糖質9g・脂質3gというもの。 プロテインではないサプリメントの内容は、糖質25gと脂質6gというもの。 筋力トレーニングは週に3回行った。 (The Journal of Nutrition
野菜にダイエット効果? 2018年2月までに発表された10の研究のデータを用いたシステマティック・レビューによると、野菜を積極的に食べることで肥満を抑制できるかもしれない。 このレビューに用いられた研究のクオリティーは中程度だったものの、野菜は薬なんかと違って副作用もないだろうから野菜を食べる量を増やしてみても良いだろう。 (Nutrients
11月1日(木)

ベジタリアンは骨が弱かった。 2017年11月までに発表された20の研究(合計で3万7千人を調査。コホート研究とクロス・セクショナル研究)のデータを用いたシステマティック・レビューで、ベジタリアンやビーガン(卵や乳製品も摂らない)は普通の食生活を送る人に比べて骨密度が低かった。 ビーガンは骨折率も高かった。 (Nutrition Reviews

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夜間の運動と睡眠。 夜間に運動した場合と運動しなかった場合とで睡眠の具合を比較した23の研究のデータをまとめて分析したシステマティク・レビューで、夜に運動をしても睡眠に支障は生じない(むしろ良く眠れる)という結果だった。 ただし、就寝前の1時間以内に激しい運動をする場合には、寝付くまでに時間がかかったり睡眠時間が減少したり睡眠効率(布団の中で過ごす時間に対する実際に眠っている時間)が低下したりする可能性がある。 (Sports Medicine

果物とアミロイドβの蓄積。 認知機能が正常なオーストラリア人たちの食生活をアンケートで調べ、その時点から0ヶ月目・18ヶ月目・36ヶ月目の3回にわたり脳におけるアミロイドβの蓄積状況を調査したうえで、アミロイドβの蓄積が見られた(将来的にアルツハイマー病になる恐れがある)77人のデータを用いて食生活とアミロイドβ(アルツハイマー病患者の脳に蓄積が見られるタンパク質)の蓄積との関係を分析したところ...

食生活がメディテラネアン・ダイエットに近い人はアミロイドβの蓄積が比較的軽微だった。 メディテラネアン・ダイエットを構成する食品カテゴリーとごにアミロイドβ蓄積との関係を分析したところ、摂取量が多いとアミロイドβの蓄積が少ないという関係が見られたのは果物だった。

これまでの研究でも、食生活がメディテラネアン・ダイエットに近い人は認知機能の低下ペースが遅いことが示されている。 (Translational Psychiatry

水出しコーヒーは抗酸化物質が少ない。 熱湯で淹れたコーヒー(普通のコーヒー)と水出しコーヒーとで成分を比較したところ、水出しコーヒーよりも熱湯で淹れたコーヒーのほうが抗酸化物質の含有量が多かった(水出しコーヒーでは13.4~17.5mmolTE/Lに対して熱湯コーヒーでは18.3~20.7mmolTE/L)。 コーヒーを熱湯で淹れるほうが非脱プロトン化酸が抽出されやすいのだと考えられる。(Scientific Reports

# 抗酸化物質含有量の数値に幅があるのは6つの産地のコーヒー豆を調べたため。

低脂肪食で抗がん剤「ビンクリスチン」の効き目がアップ(マウス実験) 白血病(急性リンパ性白血病)を患っている肥満マウスをビンクリスチンという抗がん剤で治療し始める直前に、それまで与えていた高脂肪のエサから低脂肪のエサに切り替えると、引き続き高脂肪のエサを与えられたグループに比べて生存率が5倍超向上した(17%に対して92%)。

この研究は南カリフォルニア大学などによるもので、"Cancer & Metabolism" に掲載された。

今回の研究者の過去の研究では、白血病の子供が肥満していると抗がん剤の効き目が低く、再発リスクが50%増加するという結果になっている。 急性リンパ性白血病と診断された子供の3人に1人が肥満児であるというデータもある。(Newswise