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医療・健康 3行半ニュース(2016年12月10日~14日)

12月14日(水)

1型糖尿病患者は脳卒中になりやすい。 スウェーデンで行われた研究で1型糖尿病の患者は虚血性および出血性の脳卒中になるリスクが高いという結果に。

スウェーデンに住む1型糖尿病患者3万3千人超と健常者16万人近くのデータを分析したところ、脳卒中(全体)と診断される率が健常者では0.7%だったのに対して1型糖尿病患者では2.3%だった。 1型糖尿病患者は健常者に比べて、虚血性脳卒中のリスクが3.29倍、出血性脳卒中のリスクが2.49倍という計算になる。

脳卒中のリスクはHbA1c値が高くなるほどに増加していた。 HbA1c値が9.7以上の場合には虚血性脳卒中のリスクが7.94倍、出血性脳卒中のリスクが8.17倍に増加していた。 ("Journal of Internal Medicine"

皮膚ガンを塗り薬で治せる時代の到来。 基底細胞ガン(B C C)に対するイミキモドの効果を調べた臨床試験で、5年間という長期間においてもイミキモドが有効で、皮下における皮膚ガン(submarine lesions)の再発が増加したりはしないという結果になった。 イミキモドは塗り薬(クリーム)として使用され、免疫力を強化する作用がある。 BCCはあらゆるガンの中で最も一般的なもので、高齢化に伴い患者数が急速に増加しつつある。

臨床試験の最初の3年間における治療成功率が、外科手術(BCCの現時点での標準的な治療)で98.4%だったのに対して、イミキモドを5%含有するクリームでは83.6%だった(この3年間に関しては以前の研究で発表済み)。 今回の研究では、同じ被験者をその後さらに2年間追跡した結果を分析した。 トータルで5年間における治療成功率は、外科手術で97.7%、イミキモドで82.5%というものだった。 イミキモドによる治療の失敗は、大部分が治療開始から1年以内に起こった。

今回の結果から、イミキモドが外科手術には劣るものの治療法の選択肢として実用的であると思われる。 研究者によると、BCC患者をまずイミキモドで治療し、効果が無い場合にのみ他の治療を行うという利用法が考えられる。 ("Journal of Investigative Dermatology"
12月12日(月)

食生活の炎症度は前立腺ガンのリスクに影響しない? メキシコに住む前立腺ガン患者394人と同年代の健常者794人とで食生活の食事炎症指数(DII)を調べたところ、DIIと前立腺ガン発症リスクとのあいだに関係が見られなかった。

研究チームは「もっと大規模で統計学的な信頼性に優れる研究で今回の結果を確認する必要がある」と述べている。 過去の類似研究では、炎症を促進する(DIIスコアが高い)食生活によって前立腺ガンのリスクが増加することが示されている。 ("British Journal of Nutrition"
12月10日(土)

食道ガンの予後に口腔細菌の状態が関与? 熊本大学の研究チームが、食道ガンの切除手術を受けた患者325人の腫瘍組織を調べたところ、74人(約23%)の患者の腫瘍組織から Fusobacterium nucleatum(F. nucleatum)という歯周病に関与する細菌が見つかった。 そして、腫瘍組織から F. nucleatum が検出された患者と検出されなかった患者とで、年齢・喫煙習慣・腫瘍のステージなどを考慮しつつ生存期間を比較したところ、F. nucleatum が検出された患者のほうが生存期間が短かった

F. nucleatum は大腸ガンに関与することが最近明らかにされているが、今回の研究によると食道ガンの発生および進行にも関与している可能性がある。 ("Clinical Cancer Research"

緑内障の薬でアルツハイマー病を治療? ネズミを用いた実験において、緑内障の治療に使われるブリモニジンという眼圧低下薬によって網膜におけるアミロイドβの形成を減らして網膜の神経変性を軽減することができた。 ブリモニジンがアミロイドβとは異なる非毒性のタンパク質の生産を促進したため。

アミロイドβはアルツハイマー病患者の脳に見られるタンパク質だが、網膜にもアミロイドβのプラークが形成される。 研究チームは、ブリモニジンが脳においても網膜と同じ効果を発揮するのではないかと期待している。 ("Cell Death and Disease"