(2019年2月) ヨルダン科学技術大学の研究者が、タマネギのテストステロンへの効果に関するこれまでの研究をまとめた結果を "Biomolecules" 誌に発表しています。
テストステロンについて
テストステロン(17β-Hydroxyandrost-4-en-3-one)は男性の主要な性ホルモンであり、生殖器のほか体毛や筋肉の発達において重要な役割を果たします。 男性でテストステロンが減少すると、糖尿病・男性不妊症・アルツハイマー病・骨粗鬆症・抑うつ・心臓病/脳卒中など様々な疾患のリスクが増加します。
レビューの概要
1967年から 2018年末までに発表された関連研究 を Scopus や、Web of Science、PubMed といった研究データベースから探し出して目を通したところ、タマネギが男性においてテストステロンを増やすと考えられます。 ただし、臨床試験でタマネギのテストステロン量への効果を調べることが望まれます。
タマネギでテストステロンが増えるのは以下のメカニズムによります:- 黄体ホルモンの生産量を増やす。
- 睾丸における抗酸化防御メカニズムを強化する。
- フリー・ラジカルの有害な作用を中和する。
- インスリン抵抗性を緩和する。
- 一酸化窒素の生産を促す。
- AMPK(adenosine 5'-monophosphate -activated protein kinase)と呼ばれる酵素の活性に影響する。