口の中が不潔だと喉のガンのリスクが増加する理由とは?

(2013年9月) Cancer Prevention Research" 誌に掲載されたテキサス大学の研究によると、歯周病などにより口腔の健康が衰えている人では、喉のガンの主因であるヒト・パピローマ ウイルス(HPV)への口腔における感染リスクが増加します。

研究の方法
この研究では、30~69歳の人たち 3,439人のデータを調べました。 この 3,439人は、口腔の衛生状態に関するデータの有無や、19種類の低リスクHPVおよび18種類の高リスクHPVのうちのいずれが口腔から検出されたかに基づいて選ばれました。 口腔の衛生状態は次の4点に基づき評価されました:
  • 口腔の健康状態に関する自己評価
  • 歯周病の有無
  • マウスウォッシュを過去1週間以内に使用したかどうか
  • 残っている歯の本数

この研究ではさらに、HPVへの感染に影響しうる要因(年齢・性別・婚姻状態・大麻の使用・喫煙習慣など)も考慮しました。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 口腔の衛生状態が悪い人は衛生状態の良い人と比べて、HPV感染のリスクが56%増加していた。
  • 歯周病のある人では、HPV感染のリスクが51%増加していた。
  • 虫歯などの問題がある人では、HPV感染のリスクが28%増加していた。
  • 口腔にHPV感染の見られる人では、歯の残り本数が少ない傾向にあった。
  • 喫煙や大麻などの習慣がある男性では、HPV感染のリスクが増加していた。
  • 口腔の衛生状態に関する自己評価は、HPV感染の独立的なリスク要因だった。 (喫煙習慣などとは無関係に、自分の口腔が健康であると評価して人ではHPVに感染している率が低かった)
コメント
研究者は次のように述べています:
「幸いなことに、口腔の衛生状態というのは自分でコントロールすることが可能なリスク要因です。 歯磨きなどをきちんと行うことでHPV感染のリスクと、HPVが原因となるガンのリスクを減らすことができるのです」
口に感染するHPVについて

HPVは喉・口腔・足・指・爪・肛門・子宮などに感染するウイルスで、口腔に感染するHPVは高リスク型と低リスク型の2種類に分類されます。 高リスク型のHPVはガンの原因となり、低リスク型のHPVは良性腫瘍やイボの原因となります。 口咽頭ガンの40~80%がHPVによるものです。 参考記事: HPVは咽頭ガンのリスク要因

HPVが口腔に入り込んで感染するには口腔内に傷口が必要です。 口腔の衛生状態が悪い人は口内炎・粘膜の欠損・慢性的な炎症が口腔内に発生していることが多く、これらがHPVの侵入口となるためにHPVの感染リスクが増加するのではないかと考えられます。