膝の変形性関節炎用のインソールは客観的には効果が無い

(2013年8月) "Journal of the American Medical Association" に掲載されたボストン大学のメタ・アナリシスによると、膝の変形性関節炎用のインソール(*)は効果がありません。
(*) インソールの外側を厚く内側を薄くすることによって、横向きに5°~6°の傾斜をつけたインソール(靴の中敷き)。
メタ・アナリシスの方法

このメタ・アナリシスではこれまでに行われた12の試験を分析しました。 被験者数合計は885人で、そのうち502人は変形性関節炎用のインソールを使用し、残りの人たちはインソールを使用しないか、または傾斜のついていないインソールを使用していました。 試験期間は2週間から2年(試験によって異なる)でした。

結果

全体的な分析では変形性関節炎用のインソールに効果(20点の尺度で2点分)があるように見えましたが、普通のインソールのプラシーボ効果を考慮した7つの試験のみに絞って分析し直したところ、変形性関節炎用のインソールの効果は0.5%の痛み低減でしかありませんでした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「今回の結果によって、インソール的な治療法のすべてが否定されたわけではありません。 インソールによって症状が軽減するタイプの変形性関節炎があるかもしれませんし、今後開発される関節炎用インソールの中に有効なものが出てくる可能性もあります」
今回の研究に関与していない変形性関節炎の専門家は次のように述べています:

「この結果は驚くにあたりません。 変形性関節炎用の薬以外の治療法に関して言えることですが、残念なことに、大規模で研究の品質が高い研究ほど有意な治療効果があるという結果になりにくくなります」

「しかし逆に言えば、変形性関節炎においては治療の心理的な(プラシーボの)効果が大きいということでもあります」

「プラシーボであっても効果があれば良いと思います。 変形性関節炎用のインソールも試してみる価値はあるのではないでしょうか。 インソールの使用による(副作用や出費の)リスクは極めて少ないのですから」
今回の研究者によると、膝の変形性関節炎にはニーブレース(膝装具)がかさばるけれども有効です。 他には、運動も複数の研究で関節炎に効果のあることが示されています。