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男性の食欲を抑えるのにオキシトシンが有効

(2015年3月) 米国内分泌学会(The Endocrine Society)の第97会年次会合で発表される予定のハーバード大学による研究で、オキシトシンというホルモンが男性の食欲を抑えるのに有効であるという結果になりました。 オキシトシンのスプレー(点鼻薬)を使用した男性において、カロリー(特に脂肪分)の摂取量が減少したのです。
研究の方法

この研究では、平均年齢27才の健康な男性25人を被験者とする試験を行いました。 25人のうち13人は普通体重で、12人が肥満でした。

被験者を無作為に2つのグループに分けて、一方のグループにはノバルティス社が製造する合成オキシトシンの鼻スプレーを、もう一方のグループプラシーボの鼻スプレーを、それぞれ朝食前に各自1回使用してもらいました。 オキシトシンの用量は24IU/日でした。

鼻スプレーを使用してから1時間後に被験者各自が希望する内容の朝食を食べてもらって、朝食で摂取したカロリーの量を調査しました。

そして後日、前回の試験とグループを入れ換えて(オキシトシン ⇔ プラシーボ)同じ内容の試験を繰り返しました。

結果

肥満者であるか否かに関わらず、オキシトシンを点鼻したときにはプラシーボを点鼻したときに比べて摂取カロリーが平均で122kcal、そして摂取脂肪量が平均で9g減っていました。 さらに、オキシトシンによってインスリン感受性(インスリン抵抗性の反対)などの代謝指標も改善されていました。

オキシトシンによる深刻な副作用は見られず、副作用の程度もオキシトシンとプラシーボとで同程度でした。

解説

被験者本人が感じる食欲(主観的な評価)と食欲をコントロールするホルモンの血中濃度(客観的な評価)のいずれについても、オキシトシンによる影響が見られませんでした。 したがって、今回の研究ではオキシトシンにより食欲が抑制されるメカニズムは不明です。

ただし他の研究には、オキシトシンが脳の食欲抑制経路に関与していることを示唆するものがあります。

オキシトシンは性別によって作用が異なるため、今回の結果が女性にも適用されるか否かは不明です。 オキシトシンによる食欲抑制効果の持続時間も不明です。