オキシトシンで筋肉が若返る

(2014年6月) "Nature Communications" 誌に掲載されたカリフォルニア大学バークレー校の研究によると、筋肉の維持および修復にオキシトシンというホルモンが必要です。

今回の研究では次の3つの実験を行ったようです:
  1. 今回の研究において研究チームはまず、年を取ったマウスではオキシトシンの血中量が少なく、筋肉の幹細胞に存在するオキシトシン受容体の数も若いマウスより少ないことを明らかにしました。
  2. 次に、年を取ったマウスに4日間にわたってオキシトシンを注射し、そして筋肉を傷つけて、さらに5日間オキシトシンを注射するという実験を行いました。 その結果、オキシトシンを注射したグループの方が、オキシトシンを注射しなかった対照群に比べて筋肉の治りが随分と良好でした。

    若いマウスにオキシトシンを注射しても、筋肉の治り方に目立った変化はありませんでしたが、研究者によると、これはオキシトシンの投与によって筋肉幹細胞が制御不可能に分裂する(つまりガン化する)恐れが無いということになるのだそうです。

    その一方で、若いマウスでオキシトシンの効果を遮断すると、筋肉を修復する能力がたちまちのうちに老マウス並みの水準にまで落ちました。
  3. さらに、遺伝子改造によってマウスのオキシトシンを無効化するという実験を行ったところ、若いうちは筋肉の量および怪我が治る効率について普通のマウスとの間に大した違いが見られませんでしたが、成人後には普通のマウスよりも早々と老化の兆候が現れ始めました。
    「組織の修復に関与する他の遺伝子の場合、遺伝子を無効化した影響は生後間もなくあるいは胎内にいるうちに表れます。 ところが、オキシトシン関連の遺伝子の場合、その影響が現れるのは大人になってからです。 このことから、オキシトシンが老化のプロセスに密接に関わっていると考えられます」

研究者によると、男女を問わずオキシトシンが将来的に、老化現象を抑制するためのホルモン補充療法に代わる、あるいはそれ以上の治療法となる可能性があります。

ホルモン補充療法では動作の機敏性も筋肉修復能力も改善しませんし、副作用も問題となっています。 これに対してオキシトシンは、筋肉だけでなく肥満や骨の健康にも有用である可能性があります。 今回の研究者による過去の研究では、卵巣を切除した(更年期を人為的に作り出した)マウスにオキシトシンを投与することによって骨粗鬆症を防げるという結果になっています。