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バイクや自動車の排気ガスで子供が老化する

(2017年5月) "Journal of Occupational and Environmental Medicine" に掲載されたカリフォルニア大学バークレー校の研究によると、自動車やバイクなどの排気ガスが子供を老化させてしまう恐れがあります。 交通由来の大気汚染物質に高レベルでさらされた子供は、細胞の老化の指標とされるテロメアが短かったのです。

研究の方法

米国で2番めに大気汚染がひどい年であるカリフォルニア州フレズノ市に住む子供14人を調査して、PAH(多環芳香族炭化水素)という大気汚染物質とテロメアの長さとの関係を調べました。 PAHはバイクや自動車などに由来する大気汚染物質です。

結果

さらされるPAHの濃度が高い子供ほどテロメアが短いという結果でした。 また、高濃度のPAHにさらされている子供には喘息が多く見られました。

年齢・性別・人種・喘息の有無といった要因を考慮しても、さらされるPAHの濃度が高いほどテロメアが短いという関係の統計学的な有意性は消滅しませんでした。

解説

これまでの研究では、大気汚染により生じる酸化ストレスによってDNAなどが損傷を受けることが示されています。

研究チームによると、子供と大人ではテロメアが短くなる仕組みが異なっていて、それゆえに子供は大人よりも大気汚染による被害を強く受ける恐れがあります。

テロメアとは

テロメアは、染色体の両端に存在して、染色体同士が癒着したり変質したり(ガンの原因になる)しないように保護している部分のことです。 染色体が靴紐であるとすれば、テロメアは靴紐の先端のキャップに該当します。

テロメアは細胞が分裂するたびに(つまり老化により)短くなってゆき、テロメアが失われた染色体は不安定になります。 通常はテロメアが一定以下の長さになった時点で「細胞老化」により細胞が破壊されますが、このような破壊を免れた細胞はガン化します。

老化の指標

細胞が分裂するたびに短くなっていくというテロメアの性質のために、テロメアは肉体の老化度を知るための指標として用いられます。

テロメアが短くなる要因

喫煙・肥満・劣悪な食事・心理的ストレス・酸化ストレス・慢性炎症によってテロメアが短くなるペースが速まることが複数の研究で示されているほか、ガン・心血管疾患・認知症・肥満・脳卒中・骨粗鬆症・感染症・糖尿病・高血圧などの病気や体質(遺伝子のタイプ)によってもテロメアは短くなります。
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