腰痛の日記をつけていると回復が遅れる

(2015年3月) 慢性痛で治療を受けている人は医師や治療者に痛みに関する日記をつけることを求められることがあります。 そのような日記の内容は痛みの程度や、痛みが生活に及ぼす影響、治療の効果などで、日記の目的は患者にしかわからない細かい部分を治療者が把握するためです。

しかし、"Rheumatology International" 誌に掲載されたアルバータ大学(カナダ)の研究によると、慢性痛を抱えている人が痛みに関する日記をつけていると痛み治まりにくくなります。 (出典: UAlberta clinical professor shows pain diaries may slow patient recovery By Ross Neitz)

研究の方法

この研究では、急性の腰部捻挫(ギックリ腰)になった30代前半の患者58人(障害の程度は同じくらい)を2つのグループに分けて、一方のグループにのみ4週間にわたって腰痛日記をつけてもらいました。 腰痛日記には、毎日の痛みの程度を10段階で評価してもらいました。 そして3ヵ月後にギックリ腰がどの程度治ったかを調査しました。

結果

腰痛日記を4週間つけたあとの時点でも日記のグループでは回復が遅れていましたが、3ヵ月後の調査において、腰痛日記をつけなかったグループでは患者本人の報告による(主観的な)全快率(recovery rate)が79%であったのに対して、日記をつけていたグループでは52%でした。 日記の内容が詳細でもなく、日記をつけない日もあったのにこの結果でした。

研究者によると25%という両グループ間の差は非常に大きく、医師が行う治療の良し悪しによっても患者の回復にここまで大きな差が生じることはあまりありません。