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チョコレートを食べる時間帯によって体への影響が異なる

(2016年4月) ダイエットや認知症などへの効果が期待されているチョコレートですが、そのチョコレートを食べる時間帯に注意が必要かもしれません。

"EBioMedicine" 誌に掲載された Texas A&M の研究で、チョコレートなどの成分であるパルミチン酸という飽和脂肪を摂取する時間帯によっては体内時計が「時差ボケ」を起こし、体内で炎症が生じることが明らかになったのです。

体内時計と炎症
全身の各細胞には概日時計(サーカディアン・クロック)と呼ばれる体内時計が備わっていて、細胞が正常に機能するために必要なタイミングを制御し、炎症応答(*)が無闇に起こらないようにしています。 概日時計が狂うと代謝疾患(肥満や糖尿病など)などの病気になりやすくなります。
(*) 炎症は、怪我をしたり感染症にかかったときに一時的に生じる分には有益ですが、高脂肪食などのために低度の炎症がだらだらと持続するのは、肥満や2型糖尿病などの代謝疾患のほか、心血管疾患(心臓病や脳卒中)やリウマチなどの炎症性疾患のリスクが増加する原因となります。
前回の研究

研究チームの前回の研究では、高脂肪食が体内時計(特に、炎症関連の免疫細胞の体内時計)を遅らせることが示されました。

今回の研究

今回の研究では、飽和脂肪のうち体内時計を狂わせる作用が特に大きいのがパルミチン酸であることがわかりました。

パルミチン酸の作用は言うなれば、一部の細胞の「タイム・ゾーン」をリセットして体に「時差ボケ」を引き起こすというものです。 人体は、全身の細胞が同じタイミングで異なる「タイム・ゾーン」に突入するのであれば乗り切ることができますが、一部の細胞だけで「タイム・ゾーン」が異なると炎症が生じると思われます。

パルミチン酸は豚脂(100g中23.8g)・牛脂(100g中24.9g)・パーム油(100g中43.5g)・綿実油(100g中22.7g)などに多く含まれています。

パルミチン酸はチョコレート(ブラック)にも少なからず含まれています。飽和脂肪22gのうち34%ということなので100g中7.5gほどだと思いますが、1回あたりの摂取量も考慮する必要があります。
摂取のタイミングが大事

研究者によると、飽和脂肪により慢性炎症が引き起こされるかどうかは、飽和脂肪を摂取するタイミングに左右されます。 今回の研究によると、脂肪分が多い食事をするのに適した時間帯は早朝です。 その一方で、夜遅くに脂肪分が多い食事をするのが最悪だと思われます。

「時差ボケ」にはオメガ3脂肪酸
今回の研究では、DHA(オメガ3脂肪酸の一種)や一部の抗炎症薬が、飽和脂肪を最悪のタイミングで摂取したときの「時差ボケ」炎症作用から体を保護してくれることも示されました。 DHAにより炎症応答が妨げられると飽和脂肪が体内時計を狂わせるのも阻止されます。
DHAは抗炎症作用を有することで知られています。