すい臓ガンのリスクは食生活の炎症度に左右されない?

(2018年1月) "International Journal of Cancer" に掲載されたサウス・カロライナ大学などの研究で、食生活の炎症度と膵(すい)臓ガンになるリスクとの間に関係はないという結果になりました。

炎症について

炎症は病原体や有害物質に対して免疫系が引き起こす自然免疫反応の一部で、傷の治癒を促進したり病原菌を抑制したりするのに役立ちます。

しかし、炎症は健全な組織まで傷つけてしまうので、感染症や怪我などが生じていないときにも炎症が持続する慢性的な炎症は体にとって有害です。 慢性的な炎症はガン・糖尿病・心臓病・リウマチ・抑鬱・アルツハイマー病など様々な病気の一因になると考えられています。

慢性炎症の原因となるのは、体内から排除されずに残っている病原体・有害物質・免疫系の異常・運動不足・肥満・遺伝的体質・加齢などですが、食事内容も慢性炎症に大きく影響します。

食生活の炎症度と健康

食生活の炎症度とは、普段の食事に含まれ炎症に影響する各種成分がトータルで炎症を促進するか、それとも抑制するかということです。 サウス・カロライナ大学の研究では、食生活の炎症度を判定するのに食事炎症指数(DII)という尺度が用いられます。

これまでの研究では、DIIスコアが高い(炎症を促進するタイプの食生活を送っている)人は大腸ガン・乳ガン・膀胱ガン・胃ガン・喉咽頭ガン・腎臓ガン・前立腺ガン・動脈硬化・心血管疾患(心臓病や脳卒中)・心血管疾患による死亡・早死に・虚弱・肥満・骨折・抑鬱・精神的苦悩・歯牙喪失のリスクが高いことが示されています。

研究の方法

米国に住む52~78才の男女10万人超を対象に、食生活などに関するアンケート調査などを行ったのち、8.5年間にわたり膵臓ガンの発生状況を中央値で8.5年間にわたり追跡調査しました。

そして食生活から割り出したDIIに応じてデータを5つのグループに分け、グループ間で膵臓ガンになるリスクを比較しました。

結果

追跡期間中に328件の膵臓ガンが発生しました。 DIIと膵臓ガンになるリスクとの間には関係が見られませんでした。