閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

膵臓のβ細胞には再生能力があった

(2014年3月) "Cell Metabolism" 誌などに掲載されたヴァンダービルト大学糖尿病センターの4つの研究によると、インスリンを作り出す膵臓のβ細胞には再生能力があると考えられます。
1型糖尿病では、β細胞が破壊されて十分な量のインスリンが生産されないために血糖値が上昇します。 一方、2型糖尿病では、体の組織がインスリン抵抗性を獲得する(インスリンに鈍感になる)ために血糖値が増加しますが、2型糖尿病の場合にもβ細胞の機能に異常が生じます。

今後の研究でβ細胞が再生するメカニズムが明らかにされれば、糖尿病を治せるようになるかもしれません。

4つの研究の結果
4つの研究の主な結果は次の通りです:
  1. ランゲルハンス島)の血液供給の発達およびβ細胞の増殖には、VEGF-A(血管内皮成長因子A)が重要である。 マウス・モデルにおいて VEGF-A を遮断したところ、最終的にβ細胞塊およびインスリンの放出量が減少し、血流からのブドウ糖クリアランスが損なわれた。
  2. マウス・モデルにおいて、島の血管内皮細胞から放出される VEGF などのシグナルが最終的に、脳につながる島の神経を刺激した。 研究者は次のように述べています:
    「島への血管供給(vascularize)が適切になされなければ、神経が適切に張り巡らされません。 VEGF などのシグナルはβ細胞の成長も促進します」
  3. 2型糖尿病の肥満マウスにおいては、ブドウ糖量(血糖値?)の増加に反応した結果としてのβ細胞塊の増加に VEGF-A が関与していなかった。

    腫瘍が増殖時に新生血管を作り出すのと違って、β細胞の組織は既存の血管を拡張することによって血液供給量を増加させていた。
  4. マウスおよびヒトの島において、VEGF-A が過剰に存在するとβ細胞は死滅したが、これによって血管内皮細胞とマクロファージの相互作用が関与する再生的局所環境が整い、β細胞が増殖した。
    「これは非常に特異なことです。 島細胞は(脳の)神経細胞と同じく、いったん死滅すると再生しないのが普通なのですから。 骨髄の内皮細胞とマクロファージを用いてβ細胞の増殖と再生を促進する環境を作れるのではないかと思います」