親に「太っている」と思われている幼稚園児は10年後に本当に太る

(2017年1月) "Psychological Science" 誌に掲載されたリバプール大学などの研究で、子供が4~5才の頃に親が「この子は太っている」と感じていると、その時点での実際の太り具合がどうであれ、子供が10代になったときに太っていることが多いという結果になりました。

研究の方法
オーストラリアに在住の 2,823世帯を対象として、次の3ステップから成る調査を行いました:
  1. まず、子供が4~5才のときに、身長と体重を計測してBMIを算出し、両親に子供の体重についてどう思っているか(*)を尋ねました。
    (*) 痩せすぎ・普通体重・太っている・非常に太っているの4種類に区分。
  2. 次に、子供が12~13才になったときに、自分の体型のイメージや過去1年間のうちにダイエットを試みたかどうかを子供に尋ねました。
  3. そして子供が14~15才になったときに、子供の身長と体重を計測しました。
結果

子供が4~5才のときに両親に「この子は太っている」と思われていた子供は、4~5才の時点での実際の太り具合や性別・世帯収入・健康状態・両親の体重などに関わらず、10年間のうちに実際に太りやすい傾向にありました。

また、両親に太っていると思われていた子供は、自分の体型についてネガティブなイメージを抱えていてダイエットを試みる傾向にありました。

アイルランド人の家族 5,886世帯を対象に行った同様の調査(9才~13才にかけて)でも同じ結果となりました。

解説

今回の結果を見ると、子供が「自分は太っている」と思い込んでダイエットに失敗してリバウンドで実際に太ってしまうのかと考えてしまいますが、研究チームによるとそうでもないようです。

研究チームは今回の結果になった理由として次のようなものを推測しています:
  • 「この子は太っている」と親が思い込むために子供の食生活が乱れる。 「子供が太っている」と考える親は子供をしつけるのに食べ物で釣ろうとする傾向にあるとする研究や、「子供が太っている」と考える親は子供に痩せたいと思うように仕向ける傾向にあるとする研究があります。
  • あるいは、子供の体重が急に増え始めたり子供の食事量が多いために、「この子は太っている」と親が感じる。 この場合、4~5才の時点での体重が肥満の条件を満たしていなくても将来に実際に太ることが多いので、「この子は太っている」という親の認識が10年後の子供の過度の体重増加を引き起こしているように見えますが、両者のあいだに因果関係は存在しません。 なんらかの原因が「親の認識」と「子供の10年後の過度の体重増加」の両方を引き起こしているという構図。