子供の学校成績に親が期待する際の注意点

(2015年11月) "Journal of Personality and Social Psychology" に掲載されたレディング大学の研究によると、親が子供の学校成績に期待するのは成績に良い影響を及ぼしますが、その期待が非現実的である両親が自覚している場合には逆効果になるかもしれません。

過去の研究では、両親の望みが過度である(つまり両親自身も難しいと判断している目標を子供に達成させようとしている)と、親が子供の勉強に過度に関与したり、子供に過度のプレッシャーを与えたり、子供の行動を束縛することになったりすることが示されています。

研究の方法
ドイツに在住の中高生 3,530人(女子率49.7%)およびその両親の 2002~2007年にかけてのデータを分析しました。 データに含まれていたのは、1年ごとの①中高生の数学の成績と②子供の成績に関する両親の期待(*)でした。
(*) ①子供に特定の成績(例えば5段階評価の4や5など)を取って欲しいとどれだけ強く思っているか、および②その可能性がどの程度であると判断しているか。
結果
子供の成績に対する両親の期待が高いと子供の成績が良いという傾向が見られましたが、それは両親の期待が現実的と言える範囲内に収まっている場合に限られました。 両親の期待が両親の現実的な判断を超えている場合には、子供の成績が比例的に(*)下がっていたのです。
(*) 比例的に - proportionately。 「両親の期待と判断の乖離度に比例して」という意味でしょうか。
結果の確認

上記の結果を確認するために米国の学生1万2千人超とその両親の2年分のデータを分析したところ、ドイツのデータと同じような結果となりました。

コメント
研究者は次のように述べています:
「これまでに行われた類似研究では、両親の期待が高いほど子供の学業成績が良いという単純な結果でしたし、子供の学業成績アップのために両親に高い期待を抱かせるということも行われてきました。 しかし今回の研究では、両親の期待が闇雲に高いだけでは子供の成績アップにはつながらないという結果になりました」