パーキンソン病はやはり腸から脳へと広がっていた

(2014年10月) "Acta Neuropathologica" に掲載されたルンド大学(スェーデン)の研究により初めて、「パーキンソン病は腸で始まり脳へと広がる」という説のエビデンスが見つかりました。

Braak の仮説

この説は 2003年にドイツの神経病理学者(Heiko Braak)が提唱し「Braak の仮説」と呼ばれるもので、パーキンソン病のプロセスが消化管と脳の嗅覚中枢で始まると考えます。 この説をこれまで裏付けていたのは、パーキンソン病のごく初期の段階において消化と嗅覚に関連する症状が表れるという事実です。

パーキンソン病は、ミスフォールドした(誤って折り畳まれた)タンパク質が凝集したものが周辺の細胞に「感染」することで進行していくと考えられています。

今回の研究

今回の研究ではネズミを用いた実験により、このプロセスを腸から脳まで追跡することに成功しました。

実験では、αシヌクレインと呼ばれる毒性のタンパク質が1つの細胞から別の細胞へと輸送されていって、最終的に脳の運動中枢(movement center)に辿り着き、それによってパーキンソン病に特有の運動障害が生じていることが示されました。

今回の研究から、神経細胞がコミュニケーションを取っている最中にαシヌクレインが転移することが示唆されます。 この時点で介入できれば、パーキンソン病の進行を阻止できる可能性があります。