パーキンソン病の引き金となるタンパク質を特定

(2014年4月) "Cell" 誌に掲載されたジョンズ・ホプキンス大学の研究により、パーキンソン病の引き金となるタンパク質が特定されました。 この発見は、パーキンソン病の早期診断や症状の進行を阻止する治療法の開発につながる可能性があります。

この研究では、ヒトの細胞とショウジョウバエを用い、s15 というタンパク質がパーキンソン病の中でも一般的なタイプのものを引き起こしていることを突き止めました。 s15 は LRRK2(leucine-rich repeat kinase 2)と呼ばれる酵素によって活性化して、神経変性(パーキンソン病)の原因となります。

今回の発見から、s15 と LRRK2 の作用を遮断することで、ドーパミン神経の喪失とパーキンソン病の発症を防げると言えそうです。
パーキンソン病とドーパミン
パーキンソン病では、脳においてドーパミンを生産する細胞が徐々に失われてゆきます。 ドーパミンは筋肉の動きを制御する信号を送るのに用いられます。 パーキンソン病ではドーパミン不足によって筋肉に信号を送れないために、筋肉を制御できなくなります。
これまでの研究では、LRRK2 の変異がパーキンソン病に関与していることまでは示されていましたが、LRRK2 が作用しているタンパク質が不明でした。

LRRK2 阻害薬は存在しますが、パーキンソン病の患者を対象とする試験はまだ行われていません。 研究者は、LRRK2 阻害薬の臨床試験に3~5年、そして s15阻害薬の臨床試験には別途に10~15年を要すると見積もっています。