パーキンソン病患者にウォーキングが有益

(2014年7月) "Neurology" 誌オンライン版に掲載されたアイオワ大学の研究によると、軽~中度の(認知症が無く、杖などの補助を必要とせず歩行ができる)パーキンソン病患者は、運動習慣としてウォーキングを続けることによって運動機能、気分、疲労感、心肺機能、思考能力の一部を改善できるかもしれません。

研究の方法

60人のパーキンソン病患者を被験者として、半年間にわたってウォーキングを続けてもらい、この半年間の前後に運動機能・心肺機能・気分・疲労感・記憶/思考能力のテストを行なってテストの結果を比較するという試験を行いました。

ウォーキングを行なう頻度は週に3回で、1回あたりのウォーキング時間は45分でした。 歩行速度は時速4.6km程度、心拍数(心拍計を装着して歩いてもらった)は心拍余力(*)の47%でした。 したがって、患者たちが行なったウォーキングは、中強度の有酸素運動にあたります。
心拍余力とは
心拍余力(heart rate reserve)とは、Karvonen という研究者が 1957年に提唱した概念で、 最大心拍数から安静時心拍数を差し引いて算出します:
  • 心拍余力 = 最大心拍数-安静時心拍数
  • 最大心拍数 = 220-年齢
  • 安静時心拍数 = 安静にしているときの心拍数(男性で60~70、女性で65~75程度)
したがって心拍余力を求める計算式は次のようになります:
<220-年齢-安静時心拍数=心拍余力>
心拍余力・最大心拍数・安静時心拍数はいずれも1分あたりの数字です。
結果

ウォーキングを習慣的に行うことによって、気分が15%・注意/反応コントロール(attention/response control)のスコアが14%・疲労度が11%・心肺機能/歩行能力が7%・運動機能が2.8点、それぞれ改善されていました。 運動機能の2.8点という点数は臨床的に有意とみなされる数字です。

研究者によると、中強度の運動は、パーキンソン病患者にとっては幾分辛く感じる程度の運動となります。 ウォーキングは医師の許可を得たうえで、治療計画の一環として安全に配慮して行ないましょう。