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受動喫煙で子供の血管が老化する

(2014年3月) "European Heart Journal" に掲載されたタスマニア大学などの研究によると、受動喫煙(二次喫煙)をした子供では、成人するまでのうちに動脈が3.3年分老化(血管壁が厚くなる)して、成人後に心臓発作や脳卒中になるリスクが増加すると考えられます。

研究の方法

この研究では、3~18才の子供 3,776人(フィンランド人とオーストラリア人)の両親の喫煙習慣に関するデータを分析し、子供が成人した後に超音波を用いて動脈の血管壁の厚みを測定しました。

結果
その結果、子供のときに両親が喫煙をしていた子供では、頸動脈の内膜中膜肥厚(IMT)が 0.015mm 増加していました(非喫煙者の子供では 0.637mm ⇒ 喫煙者の子供では 0.652mm)。
内膜中膜肥厚
内膜中膜肥厚(intima-media thickness)とは、動脈壁の最も内側の2つの層の厚みのこと。 IMT という略称で呼ばれます。 頚動脈の IMT は動脈硬化の指標として用いられます。
片親だけが喫煙者の場合には...

ただし、意外なことに片方の親だけが喫煙しているケースでは、このような IMT の増加は見られませんでした。 この点に関して研究チームは、片親だけが喫煙者の場合には(非喫煙者の方の親がタバコを嫌がるので)喫煙者の親が家族から離れる(けれども、両方の親が喫煙者の場合には家族のいる場所でタバコを吸う)などの喫煙行動パターンの違いが原因ではないかと推測しています。

この結果は、子供たちが成人した後に調べた教育水準や、喫煙習慣、運動習慣、BMI、飲酒習慣、血圧、コレステロール値などを考慮したうえでのものです。

解説

研究者の話では、0.015mm というのは「そこそこの」増加でしか有りませんが、それでもやはり余分な増加ではあるし、一度増加した IMT はもう元には戻りません。 そして、IMT の増加は心臓発作や脳卒中のリスクが増加する原因となります。

さらに、喫煙者の子供は、喫煙者になるリスクと、肥満になるリスクが高い参考記事: 妊娠中の喫煙が子供の肥満の原因にのですが、喫煙と肥満はいずれも心臓の健康に悪影響を与えます。

つまり、喫煙は次の3通りで子供の心臓や血管を危険にさらしているというわけですね:
  1. 受動喫煙による IMT の増加。
  2. 子ども自身が成人後(あるいはそれ以前)に喫煙者になる。
    (子供自身の喫煙が心臓・血管に悪影響)
  3. 親の喫煙による肥満。
    (喫煙が肥満の原因になり、肥満が心臓・血管に悪影響)