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受動喫煙にさらされる時間が1週間あたり20時間以上だと老化のペースが3倍超に?

(2017年10月) 喫煙習慣がある人は細胞の老化の指標であるテロメアが短いというデータがありますが、"International Journal of Epidemiology" に掲載されたグラスゴー大学の研究によると受動喫煙(二次喫煙)にさらされている人でもテロメアが短くなります。

テロメアについて

テロメアとは、染色体の両端にあって染色体同士が癒着したり変質したり(ガンの原因になる)しないように保護している部分のことです。 染色体が靴紐であるとすれば、テロメアは靴紐の先端のキャップに該当します。

テロメアは細胞が分裂するたびに(つまり老化により)短くなってゆき、テロメアが失われた染色体は不安定になります。 通常はテロメアが一定以下の長さになった時点で「細胞老化」により細胞が破壊されますが、このような破壊を免れた細胞はガン化します。

テロメアはこのような性質のために、肉体の老化度を測るための指標として用いられます。

研究の方法

英国に住む18才以上の非喫煙者 1,303人を対象に、受動喫煙の量(1週間週あたり何時間か)について尋ねたり、血液検査によりテロメアの長さを調べたりしました。

結果

1,303人のうち56%にあたる779人が受動喫煙の被害に遇っていました。

年齢とテロメアの長さの関係を示す回帰係数(*)が、受動喫煙にさらされていないグループでは-0.005、そして受動喫煙にさらされる量が1週間あたり1~19時間だったグループでは-0.006だったのに対して、受動喫煙にさらされる量が1週間あたり20時間以上だったグループでは-0.019でした。
(*) 今回の話で言えば「説明変数(年齢)が1単位変化したときの応答変数(テロメアの長さ)の変化量の平均値」。つまり、1才年を取るたびにテロメアがどれだけ短くなるかの平均値ということでしょう。
したがって、1週間あたりに受動喫煙にさらされる時間が1~19時間であれば老化のペースは受動喫煙にさらされていない場合と同程度だけれど、受動喫煙にさらされる時間が20時間以上/週になると老化のペースが3倍超になるというわけです。