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ピーナッツが高脂肪食による血管への悪影響を阻止

(2015年4月) "Experimental Biology Meeting" で発表(2017年3月に "Journal of Nutrition" に掲載)されたペンシルバニア大学の研究によると、脂肪分が多い食事をするときにはピーナッツを同時に食べるのが血管の健康に有益かもしれません。

研究の方法

この研究では15人の肥満男性を2つのグループに分けて、一方のグループには普通の(高脂肪の)シェイクを飲んでもらい、もう一方のグループには同じシェイクに砕いたピーナッツ85gを混入したものを飲んでもらいました。 2種類のシェイクは、カロリーと主栄養素(タンパク質・炭水化物・脂肪)が同じとなるように調整しました。

そして、シェイクを飲んでから30分後・60分後・120分後・240分後の時点で血液を採取して血中脂質値やインスリン値などを調べました。 さらに、超音波の機器を用いて血流も調べました。
今回の研究はクロスオーバー試験だったので、のちに2つのグループの被験者を入れ替えて同じ再び同じことをやりました。
結果

シェイク飲用後のコレステロール値(総・LDL・HDL)は両グループで変わりがなかったものの、中性脂肪値はピーナッツを食べたグループのほうが32%低くなっていました。

そして、普通のシェイクを飲んだグループでのみ食事から2時間後の流量依存性拡張(FMD)(高いほうが良い)が統計学的に有意に下がっていました。

普通のシェイクを飲んだグループでは、食前のコレステロール値が高いとFMDの低下幅が大きかった(*)のですが、ピーナッツ入りのシェイクを飲んだグループでは食前のコレステロール値にかかわらずFMDが維持されていました。
(*) グループ全体では-1.2%の低下。 総コレステロール値が100mg/dL超だった人では-2%、LDLコレステロール値が150mg/dL超だった人では-1.8%の低下。
解説

血管の機能障害は、①アテローム性動脈硬化の発生や、②冠動脈(心臓の血管)のプラークの形成、③冠動脈疾患の端緒となる病変の形成に大きく関わっています。

高脂肪の食事をした後には通例、高脂肪食に由来する脂質が血中から排除されるまで一時的に血管機能が低下します(血管が拡がりにくくなる)。 その状態が続くと、全身の血流量が制限されて心臓にかかる負担が増加し、心臓病や脳卒中のリスクが増加しかねません。

食事の際にピーナッツを摂ると、食後の中性脂肪の増加が緩和されて血管の柔軟性が維持されるのだと考えられます。

過去の研究に、ピーナッツを週に2回超食べる人では冠動脈疾患のリスクが低下するという結果になったものがありますが、その理由にあたるのが今回の研究で示唆されたピーナッツの血管への効果なのかもしれません。 ただしピーナッツ自体も高カロリー食品であるという点には注意が必要です。

この研究には The Peanut Institute(ピーナッツの業界団体が設立した機関でしょう)が資金を提供しています。