風邪やインフルエンザにかかった子供で脳卒中のリスクが増加

(2015年10月) "Neurology" 誌に掲載されたカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究によると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかった子供では脳卒中のリスクが一時的に増加します。

ただし、子供が脳卒中になる絶対リスクがそもそも非常に低いため、感染症で脳卒中の相対リスクが増加するといってもそう心配する必要はありません。

研究の方法

18才未満の子供699人を対象に、医療データを調査したり聞き取り調査を行ったりしました。 699人のうち355人が脳卒中と診断された子供(以下「脳卒中グループ」)で、残りの354人(以下「非脳卒中グループ」)が脳卒中を起こしていない子供でした。

結果

脳卒中グループでは脳卒中が起こる前の週に感染症にかかっていた子供が18%を占めていたのに対して、非脳卒中グループのうち聞き取り調査が行われる前の週に感染症にかかっていた子供は3%に過ぎませんでした。 前の週に感染症にかかっている率が、脳卒中グループでは非脳卒中グループの6倍だったということになります。

感染症があってから一ヵ月後や半年後の時点では脳卒中のリスクが増加していなかったことから、感染症が脳卒中のリスクに及ぼす影響は短期的だと思われます。

予防接種で脳卒中リスクが低下
予防接種を数回だけ受けたあるいは全く受けなかったというグループでは、大部分の予防接種を受けたあるいは全ての予防接種を受けたグループに比べて脳卒中のリスクが7倍も高くなっていました。
脳卒中グループと非脳卒中グループという区分での比較ではなく、予防接種の頻度に応じて699人を新たに複数のグループに分けて脳卒中リスクと照らし合わせたのでしょう。

予防接種をほとんど受けていない子供の率が、非脳卒中グループでは1%だったのに対して脳卒中グループでは8%でした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「もともと何らかの脳卒中リスク要因を抱えていた子供が、感染症に起因する炎症や脱水状態をきっかけとして脳卒中を起こすのかもしれません。 子供が風邪をひくたびに 『脳卒中を起こすのでは』 とビクビクする必要はありません」